PMBOK 其の二十二:プロジェクトが終わっても、プロダクトは終わらない?
【戦国PM講座】
~PMBOK から学ぶプロジェクトマネジメント標準~
ミネアサヒの指導のもとOJTでWEBディレクションの経験を積んできた新之助は、一層のスキルアップを目指し、PMBOKに基づく「プロジェクトマネジメント標準」を学び始めた。プロジェクトの内部環境・外部環境の存在を知った新之助だったが、実はもう一つ考慮するべきポイントがあるようで……
~ プロジェクトマネジメント標準 2.5 プロダクトマネジメントの考慮事項 – 1 ~
新之助さんは、プロダクトのローンチ=プロジェクトの完了と考えていたようですね。確かに、プロダクトの「開発プロジェクト」は完了かもしれません。しかし、完成したプロダクトにはこの先長い時間が待っています。
プロダクトマネジメントの考え方では、プロダクトには「ライフサイクル」があります(プロダクト・ライフサイクル)。そのフェーズの変化に合わせて、複数のプログラムやプロジェクトが関係していきます。
この図のように、プロダクト完成後には導入、成長、成熟、衰退/撤退といったフェーズがあり、プロダクトがより多くの価値を生むためにそれぞれの局面に合わせた強化・改善が必要になります。そこに、新たなプロジェクトやプログラムが立ち上げられるのです。
例えばスマホゲームなら、「成長期」にはユーザーを増やすための新機能追加のプロジェクトがあるかもしれませんし、「成熟期」にはアクティブユーザーを維持するためのプログラムとして、限定イベントや漫画コラボなど複数のプロジェクトが同時に実行されるかもしれません。あるいは、「衰退期」にサービス撤退やサイト閉鎖を行うことも一つのプロジェクトです。
あるプロダクトについて、それを構築・強化するためのプログラムやプロジェクトを立ち上げて管理し、顧客やスポンサー組織にさらなる価値を生み出していく。これが近年よく耳にする「プロダクトマネジメント」なんですね。
新之助さん、プロダクトの開発プロジェクトが完了してホッと一息つくのもいいですが、今後はプロダクトをさらに進化させていくためのプロジェクトを動かしていくことになりますよ。気合いを入れましょう!
(^^♪ 次回:プロダクトマネジメントの中にプロジェクトマネジメントがある??
【出典・参考文献】
・プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKガイド)第7版+プロジェクトマネジメント標準(一般社団法人 PMI 日本支部,2021.274p.)
・A Guide to the Project Management Body of Knowledge (PMBOK® Guide) – Seventh Edition and The Standard for Project Management (ENGLISH) By Project Management Institute Project Management Institute
・Project Management Institute.
・一般社団法人 PMI 日本支部