NEWS ABOUT Solution WORKS TEAM BLOG お問い合わせ JP EN
edit 田中 豊彦

アクティブラーニングはデジタルで加速するのか?

教育DXの基礎知識

ここのところAIをテーマとした話題を色んなところで目にしますが、実は学校教育の現場でもAIが導入され始めています。いわゆるAIドリルのような生徒の学習履歴から最適な学びを導いてくれるというものもありますが、文部科学省が以前から提唱しているアクティブラーニングの分野でもAIが取り入れられているケースもでてきているようです。

京都府京都市では民間企業のAIを用いた協働学習支援ソリューションにより、生徒や教員の会話を録音し、内容や発話量、感情の変化などの発話状況をリアルタイムに可視化。どうしても聞き手になりがちな生徒には教員が発言機会を促したり、逆に発言の多い生徒には少し控えるように注意をすることで、場のコントロールをするという実証が行われていたようです。とはいえ、現在は、実験的に協働学習にAIをどう組み込むのかが試されていている段階といえるのではないでしょうか。

色々な個性が集まる授業の現場の中で、いかに議論や協働性を活性化させ、主体的な学びをナビゲートするのか。AIの有効活用をはじめ、デジタル化がその鍵となることは間違いなさそうです。なかなか進まないアクティブラーニングの定着化に向け、ますます官民一丸となってデジタルを駆使しながらゲームチェンジを模索していく必要がありそうです。

 

アクティブラーニングの主体である協働学習

さて、協働学習の活性化という視点では、弊社が開発支援として参画させていただいた協調学習環境「EDDiE」というWEBシステムがあります。「EDDiE」はブラウザを介して授業に参加する複数メンバーと画面共有状態にて共同作業をしながら議論や分析が進められるというWEBアプリケーションです。

具体的な使い方としては、ひとつのテーマで書かれたWEB上にある複数の記事やその他の文献に書かれている文章を比較しながら、それらの文章に使われている情報源や論拠を評価し、読み解いていく協働学習用のツールになります。

文章中の重要部分をピックアップしたり、ドラッグ&ドロップでそのセンテンスを協働学習用の表の中に取り込んだり、色分けや矢印などで関係性を整理したりすることができます。それはあたかも黒板やホワイトボードをみんなで見ながら協働学習するかのような感覚で、文章の矛盾点や類似点を複数人で整理したり、あれこれと議論しながら結論までたどり着く過程を可視化。リアルに近い感覚で複数人の目をもってひとつの推論を進めていくことができます。つまりは、協働学習を通じて多数の意見を取り入れながら、ネットや文献の情報の真偽を検証する力の育成をサポートするシステムです。

複数の文章を分析する協調学習環境「EDDiE」はこちら

フェイクニュースがはびこり真実が無意味化したポストトゥルースと呼ばれる昨今。さらに生成系AIの登場により、真偽が定かではない情報の氾濫がますます加速してきています。人々は客観的事実よりもSNSなどの感情的要素の方に強い影響を受け、身近な情報の真偽判断がさらに難しくなってきています。上述の「EDDiE」の例のような教育の現場のみならず、日々の日常生活からいかに真偽検証力を身に着ける訓練を行うかが重要となり、情報の真偽を見極めた上でAIの便利な部分だけを上手に取り入れられるかどうかが、個人の日常においても、ビジネスの場においても、これからの時代を生き抜くために求められるスキルとなってきているのではないでしょうか。

教育分野のシステムに関する支援が必要な場合は、こちらよりお気軽にご連絡をいただけましたら幸いです。