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PMBOK 其の二十:己を知らずしてプロジェクトマネジメントは成らず

【戦国PM講座】
~PMBOK から学ぶプロジェクトマネジメント標準~

戦国WEBディレクション講座

ミネアサヒの指導のもとOJTでWEBディレクションの経験を積んできた新之助は、一層のスキルアップを目指し、PMBOKに基づく「プロジェクトマネジメント標準」を学び始めた。前回まで8回にわたってプロジェクトに関連する職務を詳しく学んだが、プロジェクトマネージャーたるもの、組織としての“自己分析”も考える必要があるようだ。

登場人物紹介

~ プロジェクトマネジメント標準 2.4 プロジェクト環境 / 2.4.1 内部環境 ~

初回の接見に丸腰で挑むとは愚かなり!

ディレクターつや姫のワンポイントアドバイス

今日も殿を怒らせてしまいましたね。。。

プロジェクトは、社内・社外の環境から「良い影響」「悪い影響」「どちらとも言えない影響」を含め、さまざまな影響を受けています。当たり前といえば当たり前の話なのですが、良い影響を活かす上でも、悪い影響に備える上でも、プロジェクトが今どんな環境にあるのかは知っておいた方がいいですよね。どうしても自分のプロジェクトだけに目がいってしまいがちですが、プロジェクトが単独で世界に存在しているわけではないのです。

PMBOKでは下記のように説明されています。

プロジェクトは、価値の実現にさまざまな影響を与える内外の環境の中に存在し運営される。内外の環境は、計画とその他のプロジェクト活動に影響を与えうる。
(PMBOKガイド第7版 【プロジェクトマネジメント標準】2 価値実現システム / 2.4 プロジェクト環境)

プロジェクトマネジメント

(PMBOKガイド第7版 プロジェクトマネジメント標準「図2-2.価値実現システムの例における構成要素」を元に図を作成)

PMBOKでは、プロジェクト環境を「内部環境」「外部環境」に分けて考えます。今回は内部環境

についてご説明しましょう。

殿が言っていた「内部環境」とはこのことですね。どのようなものか、PMBOKの説明を見てみましょう。

組織内部の要因は、組織自体、ポートフォリオ、プログラム、別のプロジェクト、またはこれらの組み合わせに由来する。これには、作成物、実務慣行、または内部の知識が含まれる。
(PMBOKガイド第7版 【プロジェクトマネジメント標準】2 価値実現システム / 2.4 プロジェクト環境 / 2.4.1 内部環境)

先程の図でご自分のプロジェクトを以下の図の青枠部分とすると、赤枠部分が内部環境で示されるものの例となります。

プロジェクトマネジメント

(PMBOKガイド第7版 プロジェクトマネジメント標準「図2-2.価値実現システムの例における構成要素」を元に図を作成)

つまり、自分たちが現在持っている知識や経験、組織力などが当てはまると言えますね。例えば「知識」であれば、具体的に次のようなものが考えられます。

知識の例

プロセス資産 ツール
方法論
アプローチ
テンプレート
フレームワーク
パターン
PMO*の資源
ガバナンス文書 方針
プロセス
データ資産 データベース
文書ライブラリ
メトリックス
データ
以前のプロジェクトの作成物
知識資産 プロジェクト・チーム・メンバー
当該分野専門家
その他の従業員が共有する暗黙知
セキュリティと安全 施設へのアクセス
データ保護
機密性のレベル
独占している機密事項に関する手続き
実務慣行
組織の文化、構造、ガバナンス ビジョン
ミッション
価値
信条
文化的規範
リーダーシップ・スタイル
階層と権限の関係
組織のスタイル
倫理
行動規範
施設や資源の地理的分布 職場
バーチャル・プロジェクト・チーム
共有システム
インフラストラクチャー 既存の施設
機器
組織チャネル
通信チャネル
情報技術ハードウェア
可用性
キャパシティ
情報技術ソフトウェア スケジューリング・ソフトウェア
コンフィギュレーション・マネジメント・システム
オンライン自動化システムへのウェブ・インターフェイス
コラボレーション・ツール
作業認可システム
資源の可用性 契約および購買の制約条件
承認されたプロバイダーおよびサブコンストラクター
提携合意
スケジュール
従業員の能力 一般的な知識
専門知識
スキル
コンピテンシー
技法
知識

※PMO:プロジェクト関連のガバナンスプロセスを標準化し、資源、ツール、方法論、技法の共有を促進するマネジメント構造(付属文書 X3 プロジェクト・マネジメント・オフィス P211)

新之助さんは動画コンテンツで勝負に出るべきだったと考えているようですが、自分たちの内部環境にこそ勝負できる強みがあったかもしれません。武器を探すならまずは”自分を知る”ことから始めましょう!

教訓:丸腰で臨むは負けフラグ!

(^^♪ 次回:社会情勢や政治動向がプロジェクトに影響する?


【出典・参考文献】
プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKガイド)第7版+プロジェクトマネジメント標準(一般社団法人 PMI 日本支部,2021.274p.)
A Guide to the Project Management Body of Knowledge (PMBOK® Guide) – Seventh Edition and The Standard for Project Management (ENGLISH) By Project Management Institute Project Management Institute
Project Management Institute.
一般社団法人 PMI 日本支部


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