WITアワード2020 受賞者ジャパンツアー開催
スパイスワークスが過去4回にわたりミャンマーで開催してきた WIT アワード。
今回はその受賞者特典でもあります JAPAN ツアーの模様をお伝えします。
【 目次 】
- WIT Award とは
- ミャンマーの状況について
- JAPAN ツアーの内容について
- 専修大学様 大学訪問
- 株式会社エーエルジェイ様 会社訪問
- 株式会社LIVENT様 会社訪問
- 東京観光
- 今後の WIT アワード
WIT Award とは
WIT Award は、2017年から開催しており、2020年で4回目となるWEBアワードです。
ミャンマー在住の24歳以下の応募者から WEB サイトや WEB アプリケーションの作品を募集し、優秀者には賞金と賞品が授与されます。
2020年は在ミャンマー日本大使館の後援を受け、 ANA 様、Z.com( GMOインターネットグループ)様、ALJ 様にご協賛いただき、クラウドファンディングからも多くの皆様からご支援をいただきました。
毎回100名を超える応募者の中から、グランプリ、テクニカルアワード、デザインアワード、グループアワードなどが授与されます。
WIT Award 2020 では、グランプリ受賞者に賞金 2,000 USドルとJAPAN ツアーが授与されました。
最近では何度もチャレンジいただく応募者が増えており、今回見事グランプリを獲得された Lwin Moe Paing (リン・モー・パイン)さんも、3回目のチャレンジでした。
例年であれば受賞から数か月後に開催される JAPAN ツアーですが、今回は2020年からの新型コロナウィルスの影響と、2021年にミャンマーで勃発した軍事クーデターの影響で、ツアー開催が3年間延期され、2023年11月にようやく実施することができました。
ミャンマーの状況について
ミャンマーでは2021年2月1日に軍事クーデターが勃発しました。
当時政権を担っていた国民民主連盟(NLD)の幹部も多くが収監され、実質的な党首でありノーベル平和賞受賞者のアウン・サン・スーチー氏も拘束されました。
ミャンマーではその後各地で国軍による空爆や放火があり、国連UNHCR協会によると2021年2月以降、推定5万7000人以上が難民となって隣国へ逃れ、推定166万人以上が国内で避難を強いられている(2023年10月現在)」としています。
その後も国連人道問題調整事務所(OCHA)は、2023年11月15日までの2週間に避難民が20万人増加したと発表しています。
日本ではあまりニュースになっていないので、「ミャンマーのクーデターは落ち着いた」という印象を持たれている方が多いようですが、実際にはその後も状況は悪化しており、この記事を書いている時点では、内戦が激化しています。
そのような中ですが、今回ようやく渡航の VISA が下り、安全の確保も目途がついたため、日本ツアーを開催することになりました。
受賞当時大学3年生だったグランプリの Lwin Moe Paing (リン・モー・パイン)さんも、27歳になり、現在ではプロとして香港のプロジェクトを受けるなど、国際的に活躍されています。
JAPAN ツアーの内容について
JAPAN ツアーでは、グランプリ受賞者に日本の技術と文化に触れていただくことを目的に、東京観光と合わせて、毎回日本の企業や大学を見学してもらっています。
東京観光は本人の希望をもとにプランを立て、日本企業や大学の見学は、 WIT Award の協賛企業様や審査員の先生にご協力いただいています。
専修大学ネットワーク情報学部様 大学訪問
WIT アワードでも毎回審査をしていただいている、専修大学ネットワーク情報学部の上平崇仁教授のゼミにご招待いただきました。
ゼミの皆様に日本のお菓子や、自ら焙煎し、その場で挽いたコーヒーまで用意していただき、リラックスした雰囲気のなか、受賞者のリンさんが、受賞作品をプレゼンテーションされました。
受賞当時のリンさんが大学3年生と、ゼミの皆さんと同世代の作品ということもあり、活発な質問が寄せられました。
その後はゼミの皆様の活動内容を拝見し、日本の学生さんとの楽しい異文化交流の時間となりました。
株式会社エーエルジェイ様 会社訪問
ALJグループはグローバル展開をしている ICT サービスプロバイダ企業で、ミャンマーやベトナムにもグループ企業を有しています。
ミャンマーで高度人材を育てるという WIT アワード の趣旨に賛同していただき、WIT 2020 にご協賛いただきました。
当日はリン・モー・パインさんの作品を紹介し、その後社内をご紹介いただきました。
ALJグループは「人口減少・少子高齢化問題を見据えた独自のビジネスモデル創出」を掲げられており、今後もミャンマーやベトナムでのさらなるビジネス拡大を予定されるということです。
是非 ALJ Myanmar のサイトもご覧ください。
また私たちが訪れたのが、オフィシャルクラブパートナーとして参画されているFC町田ゼルビアがJ2リーグ優勝し、J1リーグ昇格というタイミングで、社内も高揚感に充ちていたのが印象的でした。
株式会社LIVENT様 会社訪問
クラウドファンディングでご支援いただいた株式会社リベントを訪問させていただきました。
「想いをつむぎ、人生を花やかに彩る。」というビジョンをもとに、「花葬儀®」という葬儀事業、ライフタイムサポート事業、フラワーギフト事業などを展開されています。
花葬儀®は「100人いれば100通りのお葬式」というコンセプトのもとで、今までのような定型の葬儀ではなく、故人のお人柄やご家族の想いを最大限に引き出したオリジナルの葬儀をオーダーメイド・明朗なお見積りで提案してくれるサービスです。
当日は受賞作品についての説明と、花葬儀の内容をご紹介いただきました。
リベント様では自社でも「つなごう」というアプリを運営されているとのことで、リンさんの作品やその技術にも興味を持って質問をいただいたのが印象的でした。
東京観光
その他、チームラボプラネッツ、東京ディズニーランド、東京スカイツリー、JAPAN MOBILITY SHOW 2023、横浜・八景島シーパラダイス、浅草、秋葉原などの観光を楽しみつつ、リン・モー・パインさんが希望していた日本の色々な種類のラーメンを満喫して帰国していかれました。
今後の WIT アワード
ミャンマーでは現在も厳しい状況が続いており、今のところ WIT Award を再開できる目途はたっていません。しかし、これまでの WIT アワードで、受賞者のみならずチャレンジしてくれた多くの応募者の皆さまの実力が年々向上していたことは、主催者の私達が感じているだけでなく、審査員の上平崇仁先生からも同様のご意見をいただきました。
WIT Award では今後もリン・モー・パインさんのように未来のミャンマーを先導してくれるリーダーを発掘し、スポットライトを当てていきたいと考えています。彼らのような存在が注目されることで、そこを目指す人材が着実に育ってきたことを実感しています。今後もミャンマーでの高度IT人材の育成に貢献したいと考えていますので、また是非 WITアワードを再開したいです。
またスパイスワークスでは、その後フィリピンにも、グループ会社の WIT LAB (ウィット・ラボ)を設立しています。
ミャンマーのみならず東南アジアへ舞台を広げて、 WIT Award を益々進化させてゆきたいと考えています。
【出典・参考文献】
・国連UNHCR協会
ミャンマーの混乱から逃れる家族を守り、支えるために
・国際連合人道問題調整事務所(OCHA)
Myanmar: Intensification of clashes Flash Update #4 (As of 14 November 2023)