#66 上司のお悩みランキング:4位は「部門の成果達成」
「管理職のお悩みランキング」シリーズも、はや4回目を数えます。
今回のブログでも前回に引き続き、管理職のお悩みに対する、DX活用の効果的な解決策をご紹介します。
株式会社ラーニングエージェンシーの調査により「管理職の悩み」についてのランキングが発表されています。
・管理職の悩みダントツ1位は「部下の育成」/”部下の成長を感じていない”管理職が5年前の3倍に|新着情報|人材育成・社員研修(株式会社ラーニングエージェンシー)
前回は3位にある「時間の不足(21.7%)」について解説しましたので、今回は4位の「部門の成果達成(21.4%)」を取り上げたいと思います。
1位:部下の育成(50.5%)
2位:チーム・部門の運営(24.9%)
3位:時間の不足(21.7%)
4位:部門の成果達成(21.4%)← 今回はここ
5位:部下とのコミュニケーション(19.6%)
【 目次 】
「部門」の成果はこうして算出する
さて、「部門の成果」とは具体的に何を指すのでしょうか?
「成果」をビジネスの世界で考えると、やはり売上や、利益がわかりやすい指標ではないでしょうか。
とはいえ、必要な売上は統括する部門の人数によって変わります。また、せっかく売り上げが高くても、採算的に赤字では意味がありません。そう考えると、管理職が「部門の成果」として最も重視すべきは、「部門の利益」でしょう。
しかし「部門の利益」といっても、自分の部門だけで完結する話ではありません。利益といえば、売上から経費を差し引いたものです。しかし、経費については部門をまたがって存在する、人事や経理などの間接部門の経費やインフラコストなども関わっているので、厳密に特定の部門だけで利益を算出するのは難しいでしょう。
かといって、自分の部門の利益算出をあきらめる必要はありません。
厳密な会計(財務会計)ではなく、部門の状況を判断するうえで目安となる「管理会計」を元にして考えればよいのです。
DXでメンバーごとの利益をチェック
ここでは、弊社が部門ごとの利益を算出するために取り組んでいる管理会計の方法についてご説明します。
弊社では、自社で開発した工数管理 DX アプリケーション「 Playth (プレイス)」 の「ワークログ」アプリを活用しています。
このアプリでは、各自が登録した日報をもとに、指定した期間に請求する各プロジェクトの収支を一覧表示することができます。
ここから部門メンバーのプロジェクトを絞り込めば、自分の部門の、管理会計としての利益*を確認することができます。
*ただし注意しなければいけないのは、これはあくまでも「管理会計としての利益」であり、「財務会計としての利益」とは異なります。売り上げの大小には関係なく、売上に対してかけた工数がか少なければ利益としてみなされてしまいます。利益だけを見るのではなく、部門として最低限必要な売上額は把握しておく必要があります。
現状の問題点をメンバーと共有
前出の収支一覧を確認し、その中で特に赤字になっているものなどは、プロジェクトの詳細画面に移動して、業務ごと、人ごと、期間ごとの工数を確認し、どの部分でコストがかかったのかを把握します。
例えばこのグラフをもとに、各メンバーの工数や業務区分ごとの稼働推移を確認して、リーダーが以下のことに気付いたとします。
リーダー:「今回のプロジェクトではシステム開発部分でコストがかかっている。」
そこで、プロジェクトメンバーにその事実を伝えたうえで、原因を確認します。
リーダー:「システム開発でコストがかかった原因は、開発が予定より長期化したことだと思うが、その原因は何だろうか?」
そしてプロジェクトメンバーとのディスカッションで、さらなる原因を究明します。
メンバー:「今回は途中で仕様が変わったことが、開発期間が長期化した原因だと思います。」
このように原因を深掘りすることができたら、次回以降、そこから改善するための対策を練ります。
リーダー:「仕様についての顧客との認識共有が曖昧なまま進めてしまったことが、今回の開発長期化によるコスト増を引き起こしたので、次回以降は仕様確定までのプロセスを見直そう。」
このように、可視化されたエビデンスをもとに具体的な問題点を見つけ、メンバーとディスカッションして改善を繰り返すことで、部門としての業務プロセス改善や人材育成につながります。
結果的に、チーム一丸となって「部門の成果達成」という管理職のお悩みを解決する方向に進むことができるでしょう。
「プロジェクトの可視化」が成果達成のカギ
「部門の成果達成」の第一歩としては、まずはDXを活用し、プロジェクトの成果を可視化してみることです。
そして、そのエビデンスをもとに問題点を分析し、チームメンバーとコミュニケーションをとって、業務の改善を図る。この一連のサイクルを繰り返していくうちに、着実に成果が得られるでしょう。
一見管理しづらいと思われる、部門の成果達成への道のり。DX を効果的に活用することで、チームを業績向上のステップへと導くことができます。
次回は第5位、「部下とのコミュニケーション」について取り上げます。
事例としてご紹介した Playth は、カスタマイズして自社に最適化することや、オーダーメイドであらたなシステムを開発することも可能です。こちらからお気軽にお問い合わせください。
【出典・参考文献】
・株式会社ラーニングエージェンシー
【管理職1,070人の意識調査】管理職の悩みダントツ1位は「部下の育成」/”部下の成長を感じていない”管理職が5年前の3倍に|新着情報|人材育成・社員研修