PMBOK 其の三:進行管理だけでは“プロジェクトマネジメント”にならない理由
【戦国 プロジェクトマネジメント講座】
~ まんがで学ぶ PMBOK プロジェクトマネジメント標準 ~
ミネアサヒの指導のもとOJTでWEBディレクションの経験を積んできた新之助は、一層のスキルアップを目指し、PMBOKに基づく「プロジェクトマネジメント標準」を学び始めた。前回は「プロジェクト」の定義を学んだが、では「プロジェクトマネジメント」とは何をすることだろうか…?
~ プロジェクトマネジメント標準 1.2 重要な用語と概念 ~
では今回も『PMBOKガイド』日本語版から、「プロジェクトマネジメント」の定義を確認してみましょう。
プロジェクト要求事項を満たすために、知識、スキル、ツールと技法をプロジェクト活動へ適用すること。プロジェクトマネジメントとは、意図した成果を上げるためにプロジェクトの作業を導くことを指す。
*『PMBOKガイド第7版』プロジェクトマネジメント標準 P4
重要なのは「意図した成果を上げるためにプロジェクトの作業を導くこと」という点です。単に開始〜納品までの進行管理だけでなく、
プロジェクト要求事項を満たし、
「意図した成果」へと作業を導くこと
が、プロジェクトマネジメントであると定義されているのです。
プロジェクトマネジメントにおける具体的な作業の進め方は、次の図で示すことができます。
また、プロジェクトマネジメントにおいてはプロジェクトの制約事項を順守することが求められます。制約事項とは、「スコープ(範囲)」「コスト(予算)」「スケジュール(納期)」の3点です。
その上で、先に述べた「意図した成果」を挙げること、つまりそのプロジェクトがステークホルダーに対してどのような価値の創出を目指しているのか、という点を理解して成功に導く。これがプロジェクトマネジメントのあるべき形、という訳です。
例えばこの時の新之助さん、クライアントとの会議で議事録を残していませんでしたね。
議事録は、クライアントの要求範囲=スコープを記録するものです。議事録を残さないというのは、スコープを曖昧にしてしまうことと同じです。それがなくては後々プロジェクトメンバーの皆さんが困ってしまいますね。
スコープは時に変化していきますが、それを文字に残しておくことは、適切に作業を進める上でも、制約を順守する上でも非常に大切なのです。
新之助さん、プロジェクトマネジメントの定義をお分かりいただけましたか? 進行管理だけを考えていてはダメですよ♪
(^^♪ 次回:プロジェクトをマネジメントする人…「プロジェクト・マネージャー」の役割とは?
【出典・参考文献】
・プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKガイド)第7版+プロジェクトマネジメント標準(一般社団法人 PMI 日本支部,2021.274p.)
・A Guide to the Project Management Body of Knowledge (PMBOK® Guide) – Seventh Edition and The Standard for Project Management (ENGLISH) By Project Management Institute Project Management Institute
・Project Management Institute.
・一般社団法人 PMI 日本支部