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#53 使えない部下への処方箋~2/3:報連相できない部下編~

ほうれん草

「部下」と一緒に検索されているキーワードを調べたところ、1位が「1on1」、2位が「使えない」でした。(「 1 on 1 」についてのお悩みをお持ちの方はこちらをご覧ください

その中でも部下が「使えない」具体的な理由としてネットで主に挙がっていたのが以下3点。

やる気がない(前回の記事はこちら)
②報連相(ホウレンソウ)ができない
③自分で考えない、自主性がない

2回目の今回は、「②報連相(ホウレンソウ)ができない」について深掘りしてみたいと思います。

【目次】

  1. 報連相とは?
  2. なぜ報連相しないのか?
  3. 解決策①「報告しづらいから報連相できない」を解消する方法
  4. 解決策②「面倒くさいから報連相しない」を解消する方法
  5. 解決策③「上司に気を使って報連相しない」を解消する方法
  6. これらに加えて重要な根本的解決策
  7. 報連相の目的を見つめ直す
  8. 今の時代に適した報連相とは?
  9. DXで「常時報連相状態」を実現する方法
  10. コミュニケーションのハードルを下げるツールの選択
  11. まとめ

 

 

報連相とは?

「報連相(ホウレンソウ)」とは、報告・連絡・相談の略語です。
野菜の「ほうれん草」と掛け合わせることで覚えやすくまとめていますが、要するに仕事で最低限必要なコミュニケーションの種類を、経験の少ない社会人にもわかりやすいように表現しています。

テレワーク化が進んでいる昨今、別々の場所で仕事をしているだけに、コミュニケーションは益々重要な課題となっています。

そんな中、上司の報連相に対するニーズは上昇していますので、報連相しない部下と上司とのギャップは益々広がってしまっていると考えられます。

 

 

なぜ報連相しないのか?

部下が報連相しない理由としては、大きく分けて3点挙げられます。
・報告しづらい
・面倒くさい
・気を使っている

これらの理由は部下から見たものであり、上司の立場から見れば「そういうことじゃないんだよ~(・ω・;)」と言いたくなるものもあるかと思います。

部下との認識違いに困る上司

こういった上司と部下の認識の違いは、日頃のコミュニケーションと強く関わるところです。上司としてそれぞれの理由に対して、日頃から何に気を付ければよいか、対応策を考えてみます。

 

 

解決策①「報告しづらいから報連相できない」を解消する方法

「報告しづらい」理由としては、「これを報告したら叱られるのではないか?」というものがあります。確かに部下にとって、ネガティブな報告を上げのるは勇気がいるでしょう。

これに対しては、上司の日頃のコミュニケーションを改善する必要があります。

最も重要なことは、部下からネガティブな報告があっても感情的な発言をしないことです。

そして叱るのではなく、部下の話を最後まで聞いて、状況を改善するための方法について相談に乗り、今後とるべき具体的な行動を、優先順位をつけてアドバイスするようにします。

上司が日頃からこのような対応を気にかけていれば、部下が失敗した際にも

「まずい、失敗した。報告したら叱られるかも。。。」

ではなく、

「まずい、失敗した。今のうちに相談しておこう。」

という気持ちになり、早い段階で報告があがるようになります。

 

 

解決策②「面倒くさいから報連相しない」を解消する方法

報連相が「面倒くさい」理由としては、「コミュニケーションに時間を使う暇があったら自分の作業を進めた方が早い」「自分のことだけで精一杯で、周囲との連絡に時間を使う余裕なんてない」というものもあります。

忙しくて余裕がない部下

とはいえ、こういった余裕のない状況こそ、放っておけば大きなトラブルにつながりがちです。

・事前にきちんと確認を取らずに作業を進めていたために、実は本来すべきこととずれた作業をしていて無駄になった。
・迷ってしまい前に進めず、報告する余裕もなくしばらく無駄な時間を使ってしまった。

上記のような状況を引き起こせば、チームの作業効率は大きく下がります。

このケースは「部下に余裕がない」状況が原因となっています。余裕がない状況で部下が自分から報連相することは難しいので、上司からアプローチしてあげる必要があります。

一見拍子抜けするようなシンプルな解決策ですが、「報連相は部下から上司に対して行うものだ」という認識がこれを阻害しています。その認識を改めるのは意外に簡単ではないかもしれません。

 

 

解決策③「上司に気を使って報連相しない」を解消する方法

「気を使う」とは、具体的には部下が上司の状況を見て慮り、「今は忙しそうだから時間を取らせるのは申し訳ない。」と思ってしまうケースです。

これに対して上司が気を付けるべきは、忙しい素振りを部下に見せないということです。

内心忙しくても、部下の前ではゆとりを持って行動します。

そもそも余裕がなく見える上司は頼れる存在にもなりえませんので、その上司に報連相しようという気にもなりません。

たとえ本来は余裕がなくても、余裕があるように見せることで報連相が滞らず、チームの生産性が上がるのなら積極的に余裕を見せるべきではないでしょうか。

とはいえ部下は上司の些細な行動から忙しさを感じ取るものなので、ちょっとした行動にも注意が必要です。下記のような言動は、部下に忙しさを感じさせてしまいますので特に注意してください。

・パソコンの画面から目を離さずに部下の話を聞く
・部下の話が冗長になると、さえぎって会話を短縮しようとする

このような上司の時短行動で得た数秒のメリットよりも、部下が報連相しないデメリットの方が大きいことを認識する必要があります。

迷う部下

他のパターンとしては、「上司から、自分でできるだけ解決するように言われていたので、自分で試行錯誤しているうちに報告が遅くなってしまった。」というものもあります。

確かに、何も考えずに反射的に上司に相談し続けていると、部下が自分で考える能力が身につきません。自分で考えるように伝える上司は決して間違っていないと思います。

しかし、特に経験が浅い部下の場合、自分で考えるにあたり制限を設けることが大切です。
以下のように3段階くらいの優先順位をつけるといいでしょう。

1)間違いでもいいから、自分なりの解決策を一つ考えてから相談する。
2)自分なりの解決策が思いつかなければ、自分でどこまで考えたかを伝えつつ相談する。
3)30分自分で考えて何も出なければ無条件に相談する。

自分で考えることにルールを設ければ、部下の考える力を養いつつも相談しやすい状況をつくることができます。

 

 

これらに加えて重要な根本的解決策

ここまで報連相できない原因について、解決策①~③までをまとめてきましたが、実はこれらは一般的に言われていることと大きく変わりません。

これだけ広く知られている解決策があるにも関わらず、なぜ上司は報連相できない部下に悩んでいるのでしょうか。

実はこれらだけでは根本的な問題解決にはいたらないからです。

部下が報連相しやすいよういかに上司が気を配っても、上司も人間です。ふと感情が出てしまうこともあるでしょうし、疲れや忙しさが表に出てしまうこともあります。

むしろ普段から感情的になったり、疲れや忙しさを表に出したりている上司は少なく、みなさん部下とはかなり気を使って対応されています。しかし部下は上司のネガティブな行動をとても敏感に察知しています。ほんの一瞬の隙に表情に出てしまうだけで、日頃の努力が水の泡になってしまうのです。

報連相を徹底するために本当に大切なのは、人間の感情に左右されないよう「仕組み化」しておくことなのです。

オリジナル DX のカスタマイズ 受託開発

今は様々なデジタルツールも発達しています。
報連相できない部下の解決策を、これまでの延長線上で考えるのではなく抜本的に考え直す必要がありますし、それが可能な時代になっています。

具体的な解決策の前に、まずはそもそも報連相の目的が何なのかを見つめ直してみましょう。

 

 

報連相の目的を見つめ直す

ここで重要なのは、報連相はあくまでも目的を達成するための「手段」だということです。
目的さえ達成できれば、手段は報連相でなくてもよいのだという柔軟な発想のもと、考え直す必要があります。

ビジネスにおけるコミュニケーションを「報連相」という、わざわざ野菜の名前に似せた略称をつけてまで覚えやすく表現しようとした意図は何なのでしょうか。

コミュニケーションロスによる非効率を避けることが、ビジネスにおいてそれだけ重要だと認識されているからだと私は考えます。

上司と比べて部下の仕事が遅いのは、単に作業が遅いからだけではありません。たとえ作業のスピードはそれほど変わらなくても、部下は経験不足によってわからないことが多く、悩むことや調べることによって手がとまってしまったり、勘違いした方向に進んでしまったりして結果的に無駄な時間を費やすなど、上司と的確なコミュニケーションをとっていれば必用なかった「悩み」や「迷い」で時間を浪費してしまっているのです。

そしてこのようなコミュニケーションロスによる時間の浪費を解消するために「報連相」という覚えやすい言葉を使って人材育成しているのです。

シンプルに言えば、「報連相」の目的は情報共有による生産性アップです。

逆に言えば、情報共有で生産性がアップできるのであれば、報連相にこだわる必要はないのです。

1on1

 

 

今の時代に適した報連相とは?

前述の解決策①~③のように、部下が報連相しやすいよう、上司が日頃から気を配って行動することは大切です。

しかし最も良いのは、報連相などしなくても普段から常に情報が共有されている環境を作ることです。

DXツールが発展した今だからこそ、それを容易に実現することが可能になっているのです。

弊社が開発・活用している工数管理アプリ「Playth(プレイス)」のワークログ機能を使えば、日常的な業務における情報共有不足の問題は解決できます。
日報をつけることで業務の内容が可視化され、どのプロジェクトの何の作業に、部下がいつ、何時間取り組んだかがすべて分かるようになっているからです。

そして1on1ミーティングを活用して日ごろの業務で困っていることなどを聞き出せば、非日常的な出来事も共有でき、そこから「相談」にもつながります。

 

 

DXで「常時報連相状態」を実現する方法

このように、DXと 1 on 1 ミーティングを組み合わせれば、「常時報連相状態」を作り出すことが可能です。

今までは報連相を徹底するために、「文化の構築」や「部下の教育」に多くの労力をかけてきました。しかし、 DXツール と 1 on 1 ミーティングの組み合わせを導入するだけで、今までかけていた労力を、他のことに割くことができるのです。

具体的な方法としては、お互いに工数管理DXツールで登録した稼働状況のグラフを共有しながら、 1 on 1ミーティングを実施します。

部下のワークログ

稼働時間の多いものから「Aのプロジェクトはどうして時間がかかったのかな?Bのプロジェクトはあまり時間がかかっていないけど、そろそろ落ち着いた頃かな?」と、一つ一つ状況を確認していきます。

これを毎週繰り返せば、前回からの進捗や滞りの状況が見えてきます。
さらに、なぜ滞っているのかを確認すればその原因がわかり、部下からの相談を引き出すこともできますし、相談されなくてもアドバイスすることが可能です。

DXアプリを活用することで、「部下がホウレンソウしてくれない・・・」と嘆くことなく、こちらから能動的に部下の報連相以上の情報を引き出すことができるのです。

通常であれば部下からしづらい「ネガティブな報告」も、普段からプロジェクトの状況を共有しているのでお互いその「臭い」や「前触れ」は共有しており、ハードルが下がった状況で報告することが可能です。

このような 1 on 1 ミーティングは、気づいた時に行うのではなく週1回など、定期的にスケジュールに組み込むことが大切です。

これを継続すれば上司・部下の間で業務状況を常時共有した環境を構築できますし、その中でさらに上司が気にしている部分、部下が気にしている部分もそれぞれ見えてきて、お互いに対する理解が深まります

 

 

コミュニケーションのハードルを下げるツールの選択

このように、それぞれの状況と抱えている問題意識が共有できた状態であれば、部下は週1回の 1 on 1 ミーティングに限らず、合間にも気軽に上司に相談できます。なぜなら前置きの説明なく、「先日の〇〇の件の進捗なのですが、その後やはり〇〇となりまして・・・」と、すでに前提条件が共有されている状況で、いきなり本題に入ることができるからです。

さらにこのハードルを下げるためには、チャットツールの導入が効果的です。
メールだとハードルが高くなりがちです。また、対面だと内容によってはわざわざ会議室を確保するなど、やはりハードルが高くなるので、チャットで前置きや挨拶なしに、日頃から気軽に単発の質問を投げられる状態にしておくと、さらに報連相がしやすくなります。

DXによる情報共有の仕組み化でゆとりの上司

 

 

まとめ

いかがでしょうか?

わざわざ部下に報連相を押し付けなくても、DXと 1 on 1ミーティングを利用することで、それ以上の効果が期待できるのです。

これで「部下が報連相してくれない」というストレスは一切なくなります。

多くの企業では、「報連相」が目的化しています。

また報連相の方法も「部下が上司に行うもの」という固定観念がこびりついてしまっています。

しかし、「情報共有による生産性の向上」という元々の目的が明確になれば、今の時代だからこそ活用できる便利なデジタルツールをフル活用して、今までとは違ったコミュニケーションによる生産性の向上を実現できるのではないでしょうか。