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#52 使えない部下への処方箋~1/3:やる気のない部下編~

やる気のない部下

「部下」と一緒に検索されているキーワードを調べたところ、1位が「1on1」、2位が「使えない」でした。これを見ても上司が「使えない」部下に対しての悩みを持っていることはあきらかですので、今回はこのキーワードについて掘り下げてみたいと思います。
「 1 on 1 」についてのお悩みをお持ちの方はこちらをご覧ください

【目次】

  1. まずは心の整理、「使えない部下」をポジティブにとらえてみる
  2. 「使えない部下」にはパターンがある
  3. 「やる気がない」部下をどうやって更生させるか?
  4. 方法論ではなく時間の使い方を最適化する
  5. 満腹の部下に無理やり食べさせようとする上司
  6. やる気のない部下にどう向き合うか
  7. マネジャーとして自己のスキルアップに注力する
  8. どうやってやる気のない部下に給料分稼がせるか
  9. DX活用で、やる気がなくても成果を出せる部下を育成
  10. 部下のニーズは十人十色
  11. 部下のやる気に依存しない上司になる

 

 

まずは心の整理、「使えない部下」をポジティブにとらえてみる

「あの部下、使えないな・・・」とストレスを感じながら対応すると、仕事にも良くない影響を及ぼしてしまいますね。

上司の心がこのようなストレスで満たされてしまっては、チーム全体の業績にも影響してしまいます。そんな悪影響を避けるためにも、まずは気持ちを整理してみましょう。

前提として、部下が自分より「使えない」のは当たり前です。
それゆえ、あなたが「上司」として存在できているのです。

「使えない部下」というのはいつの時代でもどこにでも存在するものです。そこにいちいちストレスを感じるのは、「使えない部下」の負の側面を助長する一方となってしまいます。

逆に「周りが使えないからこそ、自分が上司になれてありがたい」と、発想を転換して、自分の気持ちを楽にしてあげましょう。

 

 

「使えない部下」にはパターンがある

「使えない部下」について、気持ちの整理はできましたでしょうか?

ここからはいよいよ具体的な話を進めたいと思います。

WEBの検索で上司の悩みを調べてみると、使えない部下には大きくわけて以下3つのパターンがあることがわかります。
①やる気がない
②報連相(ホウレンソウ)ができない
③自分で考えない、自主性がない

 

 

「やる気がない」部下をどうやって更生させるか?

やる気のない部下
部下と接触するうえで、「①やる気がない」というのは最も根本的な問題です。
これが「②ホウレンソウができない」「③自分で考えない、自主性がない」につながっている可能性もあります。

今回は「①やる気がない」から解説したいと思います。

「やる気がない」が最も大きな問題だけに、上司の気持ちも時間もここを解決するために注がれてしまうパターンが多いのが現実です。

しかし、私の考えは逆です。

やる気のない部下を更生させるために使う時間を最小限に減らし、上司の気持ちや時間の多くをやる気のある部下に傾けるべきです。

 

 

方法論ではなく時間の使い方を最適化する

ここは「部下対応」ではなく「チームマネジメント」としての時間の使い方の見直しが必要です。

やる気がなく、アドバイスしても迷惑がられる部下と、成長意欲が高く上司から多くを学びたがっている部下の、どちらに時間を使うのがチームとして効率的でしょうか。

多くのチームリーダーが、チーム内でへこんだ部分を底上げしようと時間を使います。しかし、これでできあがるのは「平均に近いチーム」です。

ビジネスで成功するのは平均に近いチームではなく、何かで突出して強みがはっきりしているチームです。強みに特化すれば、弱みは必然的に目立たなくなるのです。

 

 

満腹の部下に無理やり食べさせようとする上司

それではやる気のない部下を放っておいていいのかといえば、違います。
チームにとって悪影響を及ぼしますし、やる気のある部下が不満を持って自分の元を去ってしまうという最悪のケースにもつながりかねません。

ハングリーでない部下
とはいえ、やる気のない部下のやる気を出させることは至難の業です。

行楽シーズンの牧場で、多くの来場者から牧草をたくさんもらって満腹になった牛に、それ以上牧草を与えようとしても食べてくれません。

やる気のない部下も同じ。そもそも空腹(ハングリー)ではないのです。上司に対して教育を求めていませんので、教育に時間を使っても吸収してもらえず、かえって迷惑に思われてしまいます。ビジネスとして考えれば、ここに使う時間は無駄になるのです。

 

 

やる気のない部下にどう向き合うか

それでは上司は、やる気のない部下に対して具体的にどう向き合えばよいのでしょうか?

私の回答は、「やる気のないまま必用なことをやってもらう」です。

やる気のない部下にやる気を出してもらうには、上司の莫大なエネルギーと時間を要します。そのうえ前述の満腹の牛を空腹にさせるのと同じことで、その労力は徒労に終わります。その時間とエネルギーは、やる気のある部下に配分してチームの効率を上げましょう。

やる気がない部下でも何かをきっかけにやる気を出すかもしれませんし、今の仕事以外で何かモチベーションを見出すかもしれません。上司としては部下の幸せを祈ってそれを待つしかありません。

 

 

マネジャーとして自己のスキルアップに注力する

上司としては、やる気がない部下でも給料分の仕事ができる仕組みを淡々とを作るのです。

それが「上司のプロ」への道となり、マネジャーとしての自身のスキルアップにつながります。
マネジャーとしてのスキルアップとは、部下にやる気が「ある」「ない」に関わらず、どのチームを受け持っても相応の成果が出せるということなのです。

そうなればどこの企業からも必要とされるマネジャーとなれるのです。

 

 

どうやってやる気のない部下に給料分稼がせるか

やる気がない部下には、「やる気を出す」ことをゴールにせず、「やる気がなくても成果を出す」ことをゴールにします。

そのためにも部下と、「何を成果にするか」を共有する必要があります。

「がんばった / がんばらなかった」「成長した / しなかった」という曖昧な成果では意味がありませんので、定量的な数値を用意する必要があります。

そこで効果を発揮するのが DX です。

 

 

DX活用で、やる気がなくても成果を出せる部下を育成

工数管理DXを活用すれば、部下が今どのようなプロジェクトにどれくらいの時間をかけているかがはっきりと見えます。
テレワークの業務時間管理
また、部下が担当しているプロジェクトで、今後、何月にいくらの売上があるかの予測も閲覧できます。
上司としては、これを見ながら部下の給与に対して必用な売上のプロジェクトに淡々とアサインして、それを回してもらいます。
やる気がなくて自分から積極的にプロジェクトに参加しようとしない部下に、「もっと積極的に参加してほしい」と伝えても意味がありません。数値をもとに定量的にアサインすればいいのです。
売上予定
その数値を充たせないのであれば、1 on 1ミーティングなどで今の業務状況を確認し、どのプロジェクトにどのように時間を使えばよいか、迷っている部分に対してどのような対応策があるかをアドバイスし、部下の効率を上げてゆきます。

部下とは必用とする売上を「数値」で共有していますので、まずはそれを達成する方法を継続的にアドバイスするだけで、「やる気論」や「根性論」はそこから一切排除します。

これを淡々とやり続ければ、給与分の成果に少しずつでも確実に近づいていきますし、部下としても自ら色々と考える機会ができてきます。

 

 

部下のニーズは十人十色

上司は、自分が海賊マンガの船長のようなリーダーシップがないことを卑下する必要はまったくないのです。全員が全員モチベーション高く頂点を目指して仕事をしているわけではありません。仕事という一般的な行為の目標は、「海賊王」や「世界一の剣豪」になるような大きなものだけでないのです。

さらに言えばキャリアアップやスキルアップだけでなく、安定した収入や子育て資金の確保、住宅ローンの返済など、みな多様な目的、多様な動機に基づいて働いています。

海賊旗

会社の方向性を認識してもらうためにも「ビジョン」はあった方がよいですが、必ずしも全員が一つの旗印を目指しているわけではないのです。
上司としては、色々な目的を持った部下を無理やり一つにまとめようとせず、多様性を受け入れて淡々と「プロ上司」としての仕事をしていきましょう。
目的はチームが一つにつながることでもなく、やる気を出すことでもなく、ビジネスとしての成果をあげて部下の生活を維持・向上させることなのです。

 

 

部下のやる気に依存しない上司になる

最後になりますが、「部下のやる気」を気にしている上司は、「部下のやる気」に依存している可能性があります。
ご自分が「部下のやる気」に依存していないか、再度見つめ直してみてください。

最終的に頼りになるのは自分自身です。部下のやる気に依存するのをやめましょう。

くつろぐ、ゆとりあるマネージャー

そしてプロの上司として、部下のやる気に関係なく成果を上げられるマネジメント力を磨くことを目指しましょう。

部下に対する依存がなくなれば、自ずと優秀な部下が集まり、逆にやる気のない部下は自分を避けて通ってくれるようになるのです。

関根 聖二
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