其の五十五:そのKPI、本当に最優先ですか?
【マンガで学ぶWEBディレクション講座】
スイスイディレクター ミネアサヒの指導のもと、新たなプロジェクトに取り組む七転八倒ディレクター 新之助。提案内容になかなか返事をくれないクライアントに対し、「確認を取る」方法で先へ進むことができた。そこへ降って沸いたのが「インフルエンサーでPVアップ」という担当者のアイデアだ。Webサイト運用のKPIであるPVを達成せよと上層部からお達しがあり、気合が入っているようだが…
ECをはじめ、Webサイトを持つ企業ではKPIとして一定数のPVを設定しているケースが少なくありません。しかし、だからといって、とにかくPV獲得を目指せばいいかというと、そうではありませんよね。
インフルエンサーなど著名人にクライアントのサービス・商品をPRしてもらい、一時的にPVが増えれば、担当者の方は社内から評価を得られるかもしれません。しかし、そのファンやフォロワーは、サービス・商品の顧客層に合っているでしょうか?
例えば膨大なフォロワーを持つインフルエンサーであっても、本人のイメージに合わないPRに対してフォロワーは振り向きません(むしろインフルエンサー側から断られる可能性が高いでしょう)。もしインフルエンサーの力でPVを獲得できたとしても、最終的に購買に結び付かないのであれば、この施策は本来の目的に対して適切とは言えませんね。
インフルエンサーマーケティングが悪いわけではないのです。でも、KPIの数値そのものを目的としてしまっている施策については、ちょっと考え直してみる必要がありますよ。KPIは目標達成のための「重要業績評価指標」(Key Performance Indicator)であり、あくまで「指標」です。本来達成するべき目的は何だったか、思い出してみましょう。
クライアントから要望されたことをそのまま実行するのではなく、それが本来の目的に適っているのかどうか、冷静に考えて指摘するのもディレクターの役割です。新之助さん、有名インフルエンサー起用にエキサイトする前に、考えることがありそうですよ!
(^^♪ 次回:一度出たOKが覆ってしまった! 理由はどこに?