其の五十六:一度はOK、後からNG?! ディレクターに足りなかった視点とは?
【マンガで学ぶWEBディレクション講座】
スイスイディレクター ミネアサヒの指導のもと、新たなプロジェクトに取り組む七転八倒ディレクター 新之助。PV獲得に気を取られ、本来の目的から外れた施策案に乗りかかってしまったが、ミネアサヒのアドバイスにより軌道修正ができた。だがその後、一度は通ったはずの提案が後から覆される事態が続いてしまい…
制作の仕事をしている人なら、一度通った提案内容が後から覆されてしまった、という経験は少なからずあるでしょう。特に大きな組織では度々聞く話ではないでしょうか。その多くは、窓口のWeb担当者・担当部門はOKでも、その上長や事業の統括部門など、別の人が最終的な決裁権を持つ状況で起きています。
そんな時ディレクターは、その決裁者が誰なのか、またどのような視点を持ってWeb事業を見ているのか、という点を意識して提案や交渉を行うことが重要です。
例えば、いま新之助さんが担当しているクライアントさん社内では、小売事業部が
◯ 草履部門
◯ 下駄部門
◯ 革靴部門
◯ スニーカー部門
◯ EC統括部門
といった部門に分かれています。
組織図上はこれらが並列になっていたとしても、ECサイトに関してはEC統括部門が仕切っているのか、各商品部門が主体的にECサイトの担当カテゴリを運用しているのかで、ECサイトに対して持つ権限の範囲が異なります。必然的に、決裁の過程も異なってくるというわけです。
今回の場合、新之助さんは過去の経験からEC統括部門の担当者さんに向けて提案内容をまとめていたものの、社内的には各部門の権限が強く、窓口の担当者さんがOKでも他部門の意見によって覆されてしまっていた、というわけです。ここはもう少し、権限を持つ人の視点で提案を練り直した方が良さそうですね。各部門の事業戦略や運用の実務を改めて見直してみましょう。
大企業の仕事をした経験が少ないと、このように組織内の関係性を把握して動くのはなかなか難しいかもしれません。しかも、組織内の力関係は企業によって千差万別。一概に教材で学べる部分ではないので、上司や先輩に教えてもらいながら経験値を高めていきましょう。
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