其の七十:駆け出しディレクターでもこれがあれば一線級! 最強の武具(スキル)とは?
【マンガで学ぶWEBディレクション講座】
Webディレクターとしてもっとも優先するべきことは何かと問われたら、それは間違いなく「コミュニケーションスピード」です。知識があってもコミュニケーションの遅いディレクターより、むしろ駆け出しでも速いディレクターの方が活躍できることがあるくらい、ディレクターにとって強力な武器になるスキルなんです。
的確な回答をする、わかりやすい資料を用意するなど、コミュニケーションの質はもちろん重要です。しかし、プロジェクト進行においては伝達の遅れが後に大きな影響を及ぼす恐れがあります。時に速さは質を凌駕するのです。
企画からスケジュール進行管理、見積、確認作業など、Webディレクターの仕事はプロジェクト全般におよび、さらに社内業務や個人の勉強まで、いろいろとお忙しいであろうことはお察しします。しかし、その中で絶対に遅れてはいけないのが「コミュニケーション」なのです。
プロジェクト進行におけるコミュニケーションを大別すると、主に下記のようなパターンが考えられます。
○ 顧客・制作メンバーからの確認依頼に対する返答
○ 顧客・制作メンバーからの質問に対する返答
○ 顧客・制作メンバーへの進捗状況の共有
確認依頼に対して、その場で確認できないことであればそのまま時間を置かず、いつまでに確認して返答できるかを連絡しましょう。具体的には、直近のタスクと優先度を調整し、依頼事項の確認作業と返信に使う時間を確保します。
質問に対して、すぐに答えられない内容であればそのまま時間を置かず、いつまでに検討して返答できるかを連絡しましょう。具体的には、何をどう調べるべきかを明確にし、調べるための時間(または担当者から回答をもらうための時間)をざっくり見積もります。
進捗状況は、現在の状況や問題点を事あるごとに顧客や制作メンバーに知らせ続け、共有しましょう。ディレクターから見えている状況は、実は他の人からは見えにくいのです。見えないことは人を不安にさせ、作業を無駄に待たせたり、顧客から急かされたりすることにつながります。
「どうしようかな~」と考えているうちに忘れ、これら3点のコミュニケーションが遅れてしまえば、周囲を不安にさせて信頼関係が崩れ、周囲の業務が滞り、顧客に対する交渉力も失ってしまうのです。
顧客との交渉においても、速さが有利に働きます。例えば顧客から制作用の素材を提供してもらう場合提供の遅れが納期の遅れに影響すると早期に伝えてあれば、いざ遅れた場合に交渉の余地がありますが、ギリギリになってから伝えたのではこちらの過失になってしまいます。制作メンバーへの皺寄せを防ぐためにも、コミュニケーションの遅れは許されません。
何を差し置いても、ディレクターにとってはコミュニケーションスピードが至上命題なのです。とはいえ、これを徹底するのは大変なことです。“新米”を卒業した新之助さんも、ここは気持ちを新たに取り組みましょう!
