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PMBOK 其の二十七:スチュワードの義務②「面倒を見る」のは部下や後輩だけじゃない

【戦国PM講座】
~PMBOK から学ぶプロジェクトマネジメント標準~

戦国WEBディレクション講座

ミネアサヒの指導のもとOJTでWEBディレクションの経験を積んできた新之助は、一層のスキルアップを目指し、PMBOKに基づく「プロジェクトマネジメント標準」を学び始めた。現在は「プロジェクトの原理・原則」の1番目「スチュワードシップ」の項をひもとき、スチュワードの義務4項目を順に学んでいる。今回は義務の2つ目「他者の面倒を見ること」だが……

登場人物紹介

~ プロジェクトマネジメント標準 3.1勤勉で、敬意を払い、面倒見の良いスチュワードであること ③他者の面倒を見ること ~

初回の接見に丸腰で挑むとは愚かなり!

ディレクターつや姫のワンポイントアドバイス

今日も殿を怒らせてしまいましたね。。。

スチュワードシップの義務4項目をおさらいしてみましょう。
誠実さ
● 面倒見の良さ ←今回はココ
● 信頼されること
● コンプライアンス

今回は2番目の「面倒見の良さ」です。面倒を見るとはどういうことなのでしょうか。まずはPMBOKガイドの解説を見てみましょう。

スチュワードは、組織の事柄を自分の責任として任された者であり、それらを真摯に監理する。
(PMBOKガイド第7版 【プロジェクトマネジメント標準】3 プロジェクトマネジメントの原理・原則 / 3.1 勤勉で、敬意を払い、面倒見の良いスチュワードであること)

「面倒を見る」とはつまり、チームや組織のことについて“自分ごと”として取り組む姿勢のことと言えます。

「面倒を見る」は、英語版のPMBOKガイドでは「care」と表現されています。これには「大事だと思う、気にする、構う、世話をする」といった意味があります。

プロジェクトに参加するメンバーにはすべて、それぞれの役割がありますが、その役割の範囲内だけ見ていればいいわけではありません。メンバー全員がスチュワードシップを持って、自分ごととして組織に関わり、定義された責任範囲の枠を超えてサポートし合ったり、人の相談に乗ったりできるチームは、高いパフォーマンスを発揮することができます。

責任範囲の面倒を見る図

厳密に定義された責任範囲を超えて面倒を見る図

そう考えると「面倒を見る」の範囲はチーム内に限らず、地球上の人類や環境にも及びます。例えば、プロジェクトで天然資源を活用する場合には、持続可能な方法を採ることや、環境に対しての配慮も求められます。

責任範囲を超えて組織外まで面倒を見る図

さらに、人やモノだけでなく作業環境も「care」の対象です。ステークホルダーが常に状況を把握できるよう、透明性があり風通しの良い環境を作ることも、スチュワードの役割なのです。

面倒を見ることには、透明性のある作業環境、オープンなコミュニケーション・チャネル、ステークホルダーがペナルティーや報復のおそれなしに懸念事項を報告できる機会を作ることも含まれる。
(PMBOKガイド第7版 【プロジェクトマネジメント標準】3 プロジェクトマネジメントの原理・原則 / 3.1 勤勉で、敬意を払い、面倒見の良いスチュワードであること)

部下のいない新之助さんにとっても、こうしてみるといろいろな「care」の対象がありそうですね。

自分ごととしてケアしよう

(^^♪ 次回:人として当たり前?「信頼される」の真意とは


【出典・参考文献】
プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKガイド)第7版+プロジェクトマネジメント標準(一般社団法人 PMI 日本支部,2021.274p.)
A Guide to the Project Management Body of Knowledge (PMBOK® Guide) – Seventh Edition and The Standard for Project Management (ENGLISH) By Project Management Institute Project Management Institute
Project Management Institute.
一般社団法人 PMI 日本支部


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