BLOG

ブログ( EdTech, web制作, DX )

edit 関根 聖二

中小企業のDX化を阻む課題を解決する:⑥導入したがオペレーションに落ちない (DX#74)

導入されたDXが活用されない
中小企業のDX化が進まない状況について、6つの課題に分け、その解決策を取り上げてきました。前回の「何から始めてよいかわからない」に続き、今回はいよいよ最後の課題となります。

【中小企業のDX化を阻む課題】
①現状認識
②具体的な効果や成果が見えない
③予算の確保が難しい
④DX / ITの人材がいない
⑤何から始めてよいかわからない
⑥導入したがオペレーションに落ちない ← 今回はここ

【 目次 】

  1. 導入しても形骸化してしまうDX?
  2. DXが定着するたったの3つのポイント
  3. データでのコミュニケーションをルーティーンに組み込む
  4. 現場がデータ活用の有効性を認識する
  5. DX導入が遅れたからこそチャンスがある

 

 

導入しても形骸化してしまうDX?

「①現状認識」から「⑤何から始めてよいかわからない」までは、中小機構のアンケート(中小企業の DX 推進に関する調査 アンケート調査報告書)上位にあがっていた「DXに取り組むにあたっての課題」をもとに、解決策をお話してきました。

今回はその番外編的なお話ですが、「DXを導入する」まではたどり着いたものの、その後社内での利用が促進されず、形だけのものになってしまう・・・というパターンです。

これが意外と多いようなのですが、せっかくDXを取り入れてもそれが形だけで活用されず、形骸化してしまうのでは、導入しない方がよかったといえるでしょう。

例えば、工数管理のクラウドサービスで日報を登録するとします。
社員が毎日日報を登録して、そのデータが蓄積されることになりますが、「DXを導入すること」をゴールとしてしまうと、蓄積されたデータが活用されず、形骸化することになってしまいます。

これでは社員が日報を登録することに使った時間が、ただのコストになってしまうのです。

DX化によりアナログだったものをデジタル化したとしても、それを活用できていなければオペレーションに落とせたとは言えません。

これでは社員が日報を登録するモチベーションがだんだん薄れ、やがて「形だけのDX」や「コストとしてのDX」となってしまいます。

今回は、「導入したDXをいかにオペレーションにつなげるか」ということをお話します。
 

 

DXが定着するたったの3つのポイント

導入したDXを実際に活用するポイントは、以下3点です。

①データの民主化が実現されている

②グラフなどで可視化され、直感的に読み取れるかたちになっている

③データがコミュニケーションツールになっている

上記が必要な理由を一つずつ解説します。

「①データの民主化」とは、社内のだれもが、いつでもデータを閲覧できるようになっていることです。とはいえ、誰もがなんでも閲覧できるということではありません。閲覧権限ごとの制限がかけられ、機密情報が守られる状態で情報が共有されていることです。

データの民主化がなぜDXをオペレーションに落とすことにつながるかというと、今までのように経営幹部のみがデータを分析するのではなく、現場のスタッフがデータを活用できる環境を構築することで、データ活用の文化が社内全体に浸透するからです。

「②グラフなどで可視化され、直感的に読み取れる」ことが重要なのは、数値が並んでいて、データサイエンティストのような知識を持っていないと分析できないような情報では、せっかく「データを民主化」しても、利用できる人が限られてしまうからです。

「③データがコミュニケーションツールになっている」ことは、DXが活用されるために最も重要です。そのために「①データの民主化」で誰もが閲覧でき、「②グラフなどで可視化され、直感的に読み取れる」ことで誰もが理解できるかたちになっていることが重要なのです。
 

 

データでのコミュニケーションをルーティーンに組み込む

ここからは、データをいかにコミュニケーションツールにするかについてお話します。

蓄積されたデータが社内の共通言語になれば、DXが末端まで活用されるようになるのです。

日報データであれば、それを閲覧して話し合うことをルーティーンに組み込んでしまえばいいでしょう。

例えばチーム会議。ここで各チームメンバーが日報に登録した稼働データをもとに、今の状況とこれからの見通しを報告して、それをもとにリソースの再配置などを検討する、といった活用法です。

ユーザー一覧と個人詳細

会議のためにいちいち報告資料を用意せずとも、リアルタイムで可視化されたデータが用意されているので、現場も便利さを実感できます。

偏っていた負荷が可視化され、リソースの再配置によってそれが分散されることで、現場スタッフの実体験としてメリットを感じることもできます。

また、 例えば1 on 1ミーティングの際に、上司と部下が、部下の稼働状況の画面を共有しつつ、各プロジェクトについて今の状況を報告します。上司は特に稼働の多いプロジェクトや、急に稼働が増えたプロジェクトについて状況を掘り起こすことで、部下の抱えている問題を発見する機会を作ることができます。
 

 

現場がデータ活用の有効性を認識する

このように、 データを活用してコミュニケーションする機会を、定期会議などに組み込んでしまうことが大切です。

定期的にデータというエビデンスをもってコミュニケーションする機会があることで、より効率的な会議が行われることを現場が実感でき、データ活用の文化が社内に根付いてゆきます。

DXによって得られたデータの必要性を現場が実感できるようになれば、DX化の定着は成功したようなものです。

このような状況になってくれば、データ活用の有効化に関する意見が現場からあがるようになり、DX化の好循環に入ることができるでしょう。
 

 

DX導入が遅れたからこそチャンスがある

パン職人
以上、6回にわたって中小企業の DX 導入において陥りがちな事例と、その解決策を話してきました。

ここで、まだDXを導入していない企業にとって喜ばしいトピックをご紹介します。

実は、まだ DX を導入しておらずアナログでやってきた企業の方が、導入の障壁は少ない部分もあるのです。

今問題になっているのが、「レガシーシステム」です。

早くからデジタル化を進めてきた大企業こそ、古い言語で書かれた古いシステムが社内に蓄積されているものです。
これらの古いシステムの保守・運用に IT 人材が割かれていて、新しいものに手を付けられなかったり、古いものに多くのデータが入っているが故に、かえって乗り換えのハードルが高くなっていたりという現実もあります。

IT人材が不足する中、レガシーシステムの保守・運用にIT・ソフトウエア人材を割かれており、貴重な「IT人材資源」の“浪費”につながっている
経済産業省 DXレポート(~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~)平成30年9月7日

それを考えると、これまでアナログでやってきて DX の導入に遅れた中小企業の方が、ゼロからスタートするという意味でハードルは低い部分もあるのです。遅れたことをチャンスととらえ、まずは小さな第一歩を踏みだしてみてはいかがでしょうか。

今はクラウドサービスの種類も豊富なので、自社に合ったサービス内容や規模のものを柔軟に選んで、手軽に取り入れることが可能です。

弊社では、自社で開発・運用を行うアプリ「Playth(プレイス)」を活用しています。それぞれのデータ閲覧権限を設定する機能もあり、安心してデータを民主化できます。またDX初心者にも分かりやすいインターフェイスで、会議や 1 on 1 でも活用しやすくなっています。ご興味があればこちらからお気軽にお問い合わせください。


【出典・参考文献】

・中小企業の DX 推進に関する調査(中小機構):アンケート調査報告書 令和4年5月(2022年)

・経済産業省 DXレポートD X レポート(~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~)平成30年9月7日


ページトップへ戻る