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#75 中小企業のDX化を阻む課題を解決する:①現状認識

中小企業DX化の課題
経済産業省が先導してDXを推進している日本。
しかし現状、なかなかうまく進んでおらず、特に中小企業にその傾向が強いようです。

【 目次 】

  1. DXレポートから見える傾向
  2. 中小企業の DX 化が進まない理由は?
  3. アンケート結果:DXに関する意識
  4. アンケート結果:DXに関する取り組み状況
  5. アンケート結果:DXに関する課題
  6. DX導入の課題を解決する

 

 

DXレポートから見える傾向

経済産業省の DX レポートでは、「DX をスピーディーに進めていくことが死活問題となっている」と述べられています。(経済産業省DXレポート:~IT システム「2025 年の崖」の克服と DX の本格的な展開~平成30年9月7日)


あらゆる産業において、これらの新たなデジタル技術を活用してこれまでにないビジネス・モデルを展開する新規参入者が登場し、デジタル・ディスラプションと呼ばれるゲームチェンジが起きつつある。このような環境において、各企業は、競争力維持・強化のために、DX をスピーディーに進めていくことが死活問題となっている。

こちらは企業の大小を問わない内容です。
この記事に興味を持たれた読者の方であれば、「DXをスピーディーに進めることが死活問題」という現状は認識されていると思います。

それでは、中小企業のDX化の実態はどうなのでしょうか?
 

 

中小企業の DX 化が進まない理由は?

中小企業の DX 推進に関する調査(中小機構)のアンケート調査報告書によると、2割超の企業が DX の推進・検討に着手済みのようですが、一方、DXには取り組む予定のない企業も約4割を占めています。

中小企業の DX 化が進まない理由については、このアンケート結果からもいくつかの具体的な課題が見受けられます。
今後のブログでは、中小企業のDX化が進まない状況について、以下6つの課題にわけて、その解決策を取り上げていきます。

【中小企業のDX化を阻む課題】
①現状認識 ← 今回はここ
②具体的な効果や成果が見えない
③予算の確保が難しい
④DX / ITの人材がいない
⑤何から始めてよいかわからない
⑥導入したがオペレーションに落ちない

今回はまず第一回目として、中小企業のDX化の状況と、DX化が進まない現状についての確認を行ってみましょう。
 

 

アンケート結果:DXに関する意識

そもそも中小企業がDX導入に動かないのは、何のためにDXが必要かということを理解していないことからきている可能性があります。DXの理解度はどの程度なのでしょうか?

アンケート結果:DXの理解度について
DX について理解している(「理解している」「ある程度理解している」)企業は約4割にとどまりました。

DXに対する理解度のグラフ

<中小企業の DX 推進に関する調査のアンケート報告書(中小機構)をもとに作成>

理解度は4割。それではどれくらいの中小企業がDX化を必要と感じているのでしょうか?

 
アンケート結果:DXの必要性について
DX を理解している企業のうち、事業活動を進める上での DX を「必要」と認識している(「必要だと思う」「ある程度必要だと思う」)企業は約8割を占めました。

DX推進に向けた取り組みの必要性のグラフ

<中小企業の DX 推進に関する調査のアンケート報告書(中小機構)をもとに作成>

DX を理解している、あるいは「理解していると認識している」企業では、必要性を感じているようです。

DXについて理解している企業が増えれば、同時に必要性も高まることが予測されますので、まずは理解を促す取り組みの必要性が高そうです。

アンケート結果:DXに期待する成果・効果について
DX に期待する成果・効果では「業務の効率化」が約6割、「コストの削減」が約5割を占めました。一方、「新製品・サービスの創出」「顧客接点の強化(顧客ロイヤリティの向上)」「企業文化や組織マインドの変革」に期待する比率はそれぞれ1割程度と、低い数字になっています。

DXに期待する成果・効果のグラフ

<中小企業の DX 推進に関する調査のアンケート報告書(中小機構)をもとに作成>

中小企業が期待するのは、効率化・コスト削減など、主に経費を下げる成果のようです。

実際にはDX化が「企業文化や組織マインドの変革」に与える影響も強く、そこからコスト削減はもちろん、「顧客接点の強化(顧客ロイヤリティの向上)」なども十分期待できると思います。
 

 

アンケート結果:DXに関する取り組み状況

アンケート結果:DXの取組状況について
2割超の企業が DX の推進・検討に着手済みとの結果が出ました。一方、取り組む予定のない企業も約4割を占めています。

DXの取組状況についてのグラフ

<中小企業の DX 推進に関する調査のアンケート報告書(中小機構)をもとに作成>

DXを理解している企業の8割が必要性を感じていますが、取り組みを進めているのは2割に過ぎないのが現状です。
取り組まない理由は人材や予算の問題など様々ですので、解決策も含めて、次回以降の記事でも詳しく解説させていただきます。

アンケート結果:DXの具体的な取組内容について
DXをすでに推進・検討していると回答した企業のDXにおける具体的な取組・検討内容では「ホームページの作成」を挙げる企業が約5割。続いて「営業活動・会議のオンライン化」「顧客データの一元管理」の比率が高くなっています。

DXの具体的な取組内容のグラフ

<中小企業の DX 推進に関する調査のアンケート報告書(中小機構)をもとに作成>

また、DXを既に推進・検討している企業に「必要と思うが取り組めていない」と回答した企業を加えると、具体的な取り組み予定・検討内容は「文書の電子化・ペーパレス化」「ホームページの作成」「データの戦略的活用」の順に多くなっています。

DXの具体的な取組予定内容のグラフ

<中小企業の DX 推進に関する調査のアンケート報告書(中小機構)をもとに作成>

ここで違和感を感じたのが、具体的な取り組み内容として「ホームページの作成」が5割を占めていることです。
「ホームページの作成」や「会議のオンライン化」については、すでにDXを推進している企業としてはあまりにも当たり前のことで、「DXの取り組み」という感覚はないのではないでしょうか。

この結果からも、DXに関する認識には大きな格差があることが窺えます。

アンケート結果:DXの具体的な成果について
DX に取り組んでいる企業のうち、成果が出ている(「成果が出ている」「ある程度成果が出ている」)企業は8割を超えています。

DXの具体的な成果についてのグラフ

<中小企業の DX 推進に関する調査のアンケート報告書(中小機構)をもとに作成>

実施さえすれば、8割が何らかの成果を感じているということから、実施してDXに関する理解が深まれば、その効果を実感できるという状況が浮かび上がってきます。

残り2割の「DXに取り組んでいるが成果を感じられない」でいる企業には、「導入はしたものの成果につながる内容ではなかった」ケースや、「導入したけれどもオペレーションに落とせていない」ケースが含まれていると考えられます。
 

 

アンケート結果:DXに関する課題

アンケート結果:DX推進に向けた課題について
DX 推進に向けた課題として、上位は DX や IT に関わる人材不足を挙げる企業が多く、「具体的な効果や成果が見えない」「予算の確保が難しい」も課題の上位に挙げられています。

課題についてのアンケート結果を見てみましょう。

DXに取り組むにあたっての課題

<中小企業の DX 推進に関する調査のアンケート報告書(中小機構)をもとに作成>

上位4項目に次いで多いのが「経営者の意識・理解がたりない」という課題です。
そもそもDX化を進めるには、やはりトップ層の理解が必要ですが、現状ではそこが難しいと言えます。
経営者の意識が変われば、人材や予算の確保に向けて動き出すことも可能かと思います。

 

 

DX導入の課題を解決する

ここで、DX導入の課題になっている「IT・DXの人材不足」「予算の確保」「経営者の理解」などを解決する方法をご提案します。

実はかなりシンプルで簡単な話になります。

まずは「小規模な単位で導入しながら理解を深めていく」のが最善策だと思います。

DX化を実施した企業では8割が成果を感じたということもあり、一度導入してみれば DX についての理解度が深まります。
詳しくは次回以降の記事でお話しますが、経営者の理解度が深まれば予算の確保にもつながりますし、現場の理解は人材の確保にもつながります。

例えばシンプルな「勤怠管理システム」など、小さな部分から導入するのであれば、専門的な人材も必要ないですし、費用負担も少なくて済みます。

弊社スパイスワークスでは、工数管理アプリ「Playth(プレイス)」をはじめ、中小企業でも手軽にDXを導入できるようなアプリケーション開発を進めています。

既存パッケージの利用やカスタマイズ、スクラッチ開発も可能ですので、こちらからお気軽にお問い合わせください

部下のワークログ


【出典・参考文献】

経済産業省DXレポート:~IT システム「2025 年の崖」の克服と DX の本格的な展開~ 平成30年9月7日

中小企業の DX 推進に関する調査(中小機構):アンケート調査報告書 令和4年5月(2022年)