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edit 田中 豊彦

教育系コンテンツホルダーのビジネスを加速させる世界規格

話すこと調査イメージ
昨年11月、中学生を対象とした英語スピーキングテストが行われ、東京都立高校入試で初めて導入されたことが話題となりました。これまでも、英語教育の4つの技能のうち、「読む」「書く」「聞く」の3つはテストが実施されていましたが、「話す」ことの技能を問う問題は、公立の高校入試で実施されたことはほぼありませんでした。これは、「話す」技能を問うということは、誰かが聞いて採点しなければならず、つまりは、答案用紙上でその技能を表現することができないということ。これまでは「聞く」体制が取れないために実施することができなかったということになります。

今回、採用された英語スピーキングテストの方法は、複数のイラストからストーリーを組み立てて、英語で説明する問題等です。生徒ひとり一人がヘッドセットとマイクを使って実際にスピーキングして回答。その録音データをフィリピンで採点するというものでした。隣の生徒の声が聞こえたり、そもそも採点基準が明確でない等の今後に向けた課題はあるものの、大きなトラブルもなく実施されました。

これまでの答案用紙へ筆記解答する形式のテストでは実現できなかったことが、「デジタル」の力で実現できるようになったのです。国主導のGIGAスクール構想をはじめ、このような教育現場のデジタル化への潮流は確実に起こっています。さらに、日々進化し続けています。弊社もJOINしている文部科学省主導のプロジェクトにおいても、やはり英語のスピーキング技能を問うテストをデジタル環境で実施することに向けて、実証が進められています。

教育DXの未来
このような今後の教育デジタル化(EdTech)の中でも鍵となってくるトレンド技術が、「LTI(エルティアイ)」と呼ばれる認証規格だと考えています。
LTIは日本ではまだあまり馴染みがない方も多いと思いますが、世界的にみると教育界に深く浸透している便利且つ、マストな規格といえます。

特に、既に教育系のコンテンツを自社オリジナルで持っていて、これからサービス提供チャネルの拡大を目指したい教育系コンテンツホルダー企業が注目すべき技術ではないでしょうか。

なによりLTIの素晴らしい点は、グローバル基準の標準規格になりますので、ひと度、技術導入さえしてしまえば、日本の教育現場のみならず、世界の教育現場まで、自社の教育コンテンツサービスを提供することが可能となります。ビジネスが世界フィールドへとスケールしていくことでしょう。

また、エンドユーザー(生徒や教師)へのつながり方は、Platformと呼ばれる教育現場へのポータル機能を持ったサービス経由となりますので、販路を自社でコツコツと広げていくのではなく、Platformメーカー経由で拡販されていくことになります。
つまり、すでに教育現場に広く導入されているようなPlatformメーカーと組むことができれば、利用ユーザーが指数関数的に一気に広がっていくことになるでしょう。
例えば、多くの自治体や学校が導入している公務支援システムと呼ばれる生徒の学籍情報、成績情報、健康管理などを一元管理していくシステムやそのサービス提供メーカーと組むことができれば、強力な販路となりえます。

さらに、サービス利用者が増えた暁には、その膨大な学習履歴データ(スタディ・ログ)を可視化したり、分析(ラーニング・アナリティクス)することができます。これにより、自社コンテンツをさらにブラッシュアップして、強い市場競争力を持ったものへと研ぎ澄ますことが可能となります。さらにその先のビジョンとしては、模範となる成績優秀者の学習傾向や、苦手問題傾向の洗い出しなど、マクロ情報とパーソナル情報の掛け合わせによる、学習推進サービスの提供までもが視野に入ってくることでしょう。

これらの次の一手となるサービス発展を下支えしていく土台技術が「LTI」になります。

もしLTIについてご興味がありましたら、「文系でも理解できる教育DX:LTI 編」で分かりやすく説明をしておりますので、一度、目を通してみてください。

各種システムのLTI化対応や、スタディ・ログの可視化プログラムの開発などの実績も増えてきており、「詳しくわからないので、どこから始めれば良いのかなど、初歩から色々と教えて欲しい」といったご相談も増えてきております。

スパイスワークスのLTI Solutionについてはこちらから

教育分野のシステムに関する支援が必要な場合は、こちらよりお気軽にご連絡をいただけましたら幸いです。

田中 豊彦
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