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edit 関根 聖二
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#55 工数管理を「ひと」目線で読み解き、人材育成に活用する

工数管理を人材育成に
多くの企業で実施されているプロジェクトの工数管理。その手法は様々ですが、一般的には「プロジェクト」を軸としたものになっています。しかし、実は登録された日報データを利用して分析できるのはプロジェクトのみでありません。
今回は「ひと」を軸とした工数管理の重要性について解説したいと思います。

【目次】

  1. 工数管理とは
  2. 便利になった工数管理
  3. 工数を決めるのは「人の動き」
  4. 長い目で見れば人材育成がプロジェクト収支を向上する
  5. 「Playth」がこだわった「ひと」という視点
  6. 「ひと」にこだわったからこそ負担のない日報登録方法
  7. メンバーの仕事の回し方が見えてくる
  8. 各チームメンバーの働き方の傾向を分析する
  9. データ分析を人材育成に活かす
  10. まとめ:「ひと」目線の工数管理

 

 

工数管理とは

プロジェクトにおける工数管理とは、プロジェクトにかかった時間と人数を管理することを差します。
工数管理を行うことによって、各プロジェクトの収支がわかるため、その数値を活かして次回以降のプロジェクトに改善を加えることで、利益を向上することを目的としています。
 

 

便利になった工数管理

工数管理を紙ベース、エクセルベースで行っていた頃は非常に多くの手間がかかりましたが、現在は様々なクラウドアプリケーションが出ており、ブラウザやアプリで手軽に管理できるようになりました。
プロジェクトメンバーが日報でどのプロジェクトに何時間かけたかを登録すると、データベースに蓄積され、各プロジェクトに誰が何時間かけて、プロジェクト収支がどうだったかがわかります。

機能よりも課題解決を重視
 

 

工数を決めるのは「人の動き」

弊社でも創業間もない頃から工数管理アプリの必用性を感じており、様々なサービスのサイトを見たり説明を聴いたりしていました。しかしどれもプロジェクトの工数を管理するところで止まってしまっており、私たちが要求するものではありませんでした。
確かにこれでもプロジェクトの収支が見えるので、それをもとに改善策を考えることができます。

しかし、プロジェクト収支がプラス・マイナスになった原因を深掘りするには足りません。なぜならプロジェクトの収支は、プロジェクト内での「人の動き」に依存するものだからです。

プロジェクトの売上と外注費が同じであれば、次のプロジェクトでより収支を改善するには「人の動き」の改善が不可欠になります。
そこで自ら「Playth(プレイス)」ワークログという工数管理システムを開発することにしました。
 

 

長い目で見れば人材育成がプロジェクト収支を向上する

プロジェクトの中で改善すべき「人の動き」には、「次回からこうしよう」というように短期的な行動変容で改善できる内容もあれば、「〇〇のスキルが足りなかった」という中長期的な人材育成が必要な内容もあります。

日報を登録することによって各プロジェクトの収支がわかるようになりますが、私たちが必要としていたのは、プロジェクトを回していた時の「人の動き」が見え、次の具体的な行動の変容や人材育成につながるものでした。
 

 

「Playth」がこだわった「ひと」という視点

いわゆる一般的な「工数管理アプリ」では、その中心にあるのは「プロジェクト」です。
「Playthワークログ」でももちろんこの機能はあり、プロジェクトを中心として、リアルタイムの収支はもちろん、誰が何時間かけたのか、どの業務で時間がかかったのか、業務ごとの推移はどうだったのかが可視化されます。

ユーザー&作業区分ごとの稼働状況

このようなプロジェクトベースの分析機能はもちろん重要ですが、わしたちはこれだけでなく、「人」にフォーカスする必要があると考えました。
そして Playth のワークログ機能では、メンバーがプロジェクトに対してどのような動きをするのかを可視化する、「人」視点の分析画面を設けています。

スタッフの業務状況を共有

ここではメンバーごとに、誰が何の業務に何時間携わったかが明確にわかるだけでなく、その人の現在の状況や、働き方の特長がわかるようなインターフェイスを必用としていました。
 

 

「ひと」にこだわったからこそ負担のない日報登録方法

とはいえプロジェクトに加えてユーザーごとの分析画面を用意するとなると、日報登録の手間が増えるのではないかという疑問もあるかと思います。しかし Playth では、特にユーザー分析画面を出すために手間をかける必要はありません。

ワークログで日報を登録する際には「プロジェクト」を選択し、「業務区分」「業務詳細」を選択します。
例えばAというプロジェクトで、業務区分は「プロジェクトマネジメント」、業務詳細は「顧客との打ち合わせ」のように、項目が細分化されていきます。
これは多くの工数管理アプリケーションと同様ですので、メンバーの負担を増やすことなく「人」にフォーカスして分析することが可能です。
むしろ「Play」機能を使ってリアルタイムで日報を登録できますので、負担は軽減されています。

日報登録方法

Playth では、「ひと」を重視するからこそ日報を登録する際の負担を最小限にするような UI の設計にこだわりました。
 

 

メンバーの仕事の回し方が見えてくる

前述のように、人にフォーカスした分析画面を用意することにより、その人の働き方の特徴が分かるようになります。
例えばプロジェクトマネージャーであれば、企画に時間を使っているのか、仕様を決めるためのドキュメント作成に時間を使っているのか、顧客とのコミュニケーションに時間を使っているのかなど、それぞれの特徴を見ることができます。
 

 

各チームメンバーの働き方の傾向を分析する

こういった機能を活用すれば、チームメンバーの働き方を比較して改善につなげることもできます。
例えば各プロジェクトマネージャーが業務詳細へ登録している時間配分の平均値を出して、各自の数値と比較すれば、それぞれのメンバーの働き方にどのような特徴があるのかを分析することができます。
 

 

データ分析を人材育成に活かす

また、自分が目標とする先輩、時間効率が高い同僚などの時間配分と自分の時間配分を比較すれば、その違いが分かります。

たとえばBさんより時間効率の高い上司のAさんが、Bさんよりドキュメントの作成に使っている時間が極端に多かったとします。
数値だけではその理由が何なのかは見えづらいので、なぜAさんがそのような配分で動いているのか質問します。

「Aさんはドキュメント作成の時間が多いのはなぜですか?」

こういった質問をすることにより、具体的な理由を引き出すことができます。
これにより、今までとにかく手を動かしてプロジェクトを前に進めることを優先していたBさんは、ドキュメントをきちんと作って共有することで、チームメンバーが無駄なく動けることの重要性を知ることができるかもしれません。

このように、自分を分析したうえで上司との働き方の具体的な違いを知り、質問するという行為は、上司から一方的に「君はもう少しドキュメントをしっかりし作った方がいいよ」と言われるより納得感があり、成長に結びつく可能性が高いことはご理解いただけると思います。

工数管理による人材育成

上記のパターンのように部下からの質問を促す方がベターですが、上司から指導する際も、ワークログという具体的なエビデンスをもとに改善点を指摘することで、説得力が増します。

一対一のコミュニケーションだけでなく、日頃からチームメンバー同士で各自の働き方を比較し、議論することで、他の人の働き方からヒントを得ることもできるのです。
 

 

まとめ:「ひと」目線の工数管理

工数管理というとプロジェクトの収支が中心になりますが、その収支を形作っているのはプロジェクトメンバーの日々の行動、つまり「ひと」です。
同じ請求金額と同じ外注費でプロジェクト収支をプラスに持っていくには、プロジェクトメンバーの行動を改善するしかありません。

それには簡単に次回のプロジェクトから変容できる行動と、中長期的な人材育成が必要なものがあることを認識する必要があります。

そして日報登録の内容を、「プロジェクト」ベースのみでなく「人」にフォーカスして分析することで、人材育成を通した中長期的な利益向上にも活用できるのです。