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#39 なぜ部下が育たないのか~①部下を育てつつ自分をアップデートする上司の4つの行動

なぜ部下が育たないのか

「一生懸命教育しているのに、部下がなかなか成長してくれない・・・」という悩みを持つ上司は多いのではないでしょうか。

成長しない部下の傾向としては2つのパターンが考えられます。


(A)部下にやる気がない

(B)部下にやる気はあるが、成長しない


(A)のやる気がないケースでは、やる気のない部下に対して上司が時間を使うのは、はっきり言って効率が悪いです。やる気のない人間をやる気にさせるのはとても大きなパワーが必要で、上司のリソースがこれに割かれてしまいます。

例えば、牧場で、既に満腹の牛に、無理やり草を食べさせるのと一緒で、相手にとって迷惑・・・ということにもなりかねません。しかし、実際には上司の時間的・心理的リソースのほとんどがやる気のない部下に割かれてしまい、やる気があって本来育成しやすいはずの部下が放牧状態になってしまっているのです。

部下が複数名いるなら、やる気のある部下を育てることに力を注ぐことを意識しましょう。もし部下が一人しかいないなら、やる気を出させることにパワーを使うのではなく、やる気のないままでも仕事が成立する仕組みを考える方が効率的です。

リーダーはチーム全体の収益性の向上を中長期的に維持することが求められるため、リーダーシップにも効率性が求められるのです。

(B)の「やる気はあるが、成長しない」というケースの場合は、上司が貢献できる余地が十分にあります。

といっても、ただ単に「頑張れよ」だとか、昭和の時代のような「俺の背中を見ろよ」といったアプローチでは効果が出ないでしょう。「何かあったら声かけてね」という受け身のスタイルも機能しません。リアルなオフィスで顔を合わせて仕事していた時は、これらのような昔ながらのスタイルもどうにか通用していたのかもしれませんが、現在のようなテレワークの状況ではまったく通用しません。

例えばIT業界で、システムの受託開発を行っている場合は、受注から納品までの1つ1つの仕事のプロセスを、明確にドキュメント化し、それを部下が順番に確認していく、というスタイルにしないと成長に結びつきません。さらに、単にドキュメントにさえすればいいというわけではなく、その内容に対して、部下が行動できるようにアプローチするのです。

ここで大事なのが1on1ミーティングのようなコミュニケーションはたらくのデータ化。つまりDX活用です。

DXシステム活用で「はたらくをデータ化」することで、個人の稼働推移が一目で確認できます。例えば、ある特定の作業に時間がかかっていたら、本人の稼働グラフの中でその部分が極端に伸びており、わかりやすく可視化されています。そういった場合は何かが本人の中で引っかかっている可能性があるということが、一目でわかるのです。

稼働プロジェクト&稼働推移

上司:「この作業に時間を使っているみたいだけど、何か引っかかってることがあるの?」

部下:「実は、〇〇の部分で手間取っています」

上司:「なるほど、それじゃ今後どういう方向性で進めようと思ってるの?」

と上司が質問することで、部下が抱える課題に対して、部下自らが解決の糸口をつかむきっかけを与えられるのです。

部下にとってはなかなか解決できず、悩むこともありますが、そんな時はドキュメント化されたプロセスを提示しながら「この部分が足りてないんじゃない?」等、アドバイスができます。

たとえば、あるプロジェクトの納品前に緊急対応が立て込み、それがもとで他のプロジェクトにも影響を与えてしまうということもあります。この場合、ドキュメント化されたプロセスを見ながら、「WBSは作ってあったけど、その後の共有の頻度が低かったのかもしれないね。それが原因で最終的に緊急対応が発生した可能性があるね。今後はプロジェクトメンバーで定例会議を設定してみてはどうかな。」などの提案をすることで、部下の成長を後押しすることができます。

オリジナル DX のカスタマイズ 受託開発

大切なのは、効率的なプロセスがドキュメント化されていること。そして、それをアップデートしていくことです。なぜならこのドキュメント化とアップデートは、部下が自分のもとを去ってしまった時に活きてくるのです。ドキュメントもなしに「熱血指導」で日々を過ごしていると、部下が去ってしまった時に上司には失望感しか残らないのです。しかし部下が退職してしまっても、ドキュメントが残れば次の部下に活用できます。終身雇用の時代ではありませんので、部下が入れ替わる中でチームの収益を向上することが、上司がサバイブする条件です。色々な部下と接する中で自分のドキュメントをアップデートしていくことが、上司としての自分の成長にもつながるのです。


①効率的な仕事のプロセスをドキュメント化する

②DXを活用して日々の業務をデータ化する

③定期的なコミュニケーションの中で部下の状況を把握し、気づきやアドバイスを与える

④部下とのやりとりで気づいた部分があればドキュメントをアップデートする


動きの激しい時代、上司は上司でいかにこの状況をサバイブし、自分の市場価値を上げていくかが問われ続けています。上記①~④の4つの行動を繰り返してゆくなかで、部下やドキュメントだけでなく、自分自身をアップデートし続けましょう。

「はたらくをデータ化する」という面で弊社が活用しているのが、社内DX化システムの Playth (プレイス)。DX化は敷居が高いものではなくなっていますので、お気軽にご相談ください。

次回は業務プロセスをドキュメント化する具体的な方法について解説します。

関根 聖二
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