#13 働くのデータ化で残業14時間減に成功した理由
残業時間の削減に最も有効なのは、「働くをデータ化する」ことだと思います。
もちろん、データがあってもそれを活用しないと意味がありません。蓄積されたデータを活用する仕組みが同時にあれば、業務を効率化して残業時間を削減することはそう難しくないと実感しています。
今回はわたしたちが「働くのデータ化」とデータ活用によって月の平均残業時間を前年比14時間削減したことについてまとめました。
DX(デジタルトランスフォーメーション)と言われて久しいですが、DXを導入しただけでは効果が出ません。デジタルと人がフィットすることではじめて劇的な効果が表れてくるのです。
そしてデジタルと人をフィットさせることにこだわったのが自社開発の工数管理アプリケーション Playth (プレイス)のワークログアプリです。
プロジェクト工数のデータを蓄積するだけでなく、それを人にフィットさせた形でコミュニケーションと行動の変容を生み出すインターフェイスを実装したのが Playth の特徴です。
「デジタルを人にフィットさせる」というとわかりづらいかもしれませんが、私たちは蓄積したデータを人の行動に関与する形に翻訳することを「デジタルを人にフィットさせる」と考えています。 Playth のワークログアプリについて言うと以下のような関与です。
・インターフェイスがきっかけとなりコミュニケーションが発生する
・インターフェイスがきっかけとなりユーザーが行動を変容する
データが人の行動やコミュニケーションに影響を与えるには、直感的であり説得力のあるインターフェイスが必須となります。
スパイスワークスでは10年ほど前から旧バージョンの日報登録アプリで工数管理を続けていました。しかし、それは経営者やマネジャーが見ることを目的にしており、「各プロジェクトの収益性を見られるようにする」ということがインターフェイスのゴールでした。これによって結果としての収益性を把握して、問題がある場合は担当者に確認をとることはできます。しかしプロジェクトが完了した後に原因を分析しても、次のプロジェクトが始まるころにはそこで得た改善策が記憶から薄れてしまうというケースが多々あったのが現実です。
わたしたちが Playth で目指したのは、プロジェクトの結果をマネジャーが確認できるインターフェイスではなく、プロジェクトの途中でプロジェクトメンバーそれぞれがコミュニケーションをとり、行動を変容するきっかけを作るインターフェイスです。
また、Playth の特徴としてはプロジェクトベースだけでなく、人ベースの見える化が図られていることです。メンバーは単一のプロジェクトのみに関わっているわけではありません。他のプロジェクトが佳境を迎えているかもしれません。そのプロジェクトメンバーの今の状況も確認できますので、単一プロジェクトだけを前提とした一方的な指示だけでなく、お互いの立場を理解しつつコミュニケーションをとることができます。
直感的なデータ化でコミュニケーションが活性化すると、プロジェクトメンバーが思わぬところで引っかかっていたことに誰も気づかず、後で大きな問題に発展してしまうような状況を未然に防ぐことができるようになります。
工数管理のデジタル化というと一見ドライな機能に感じられるかもしれません。しかし私たちはデータ化された工数をチームのコミュニケーション強化に結び付けることで、プロジェクトメンバーの迅速で的確な行動の変容を促すということの実現に成功し、平均残業時間が前年比で14時間減という結果が後からついてくる形となりました。