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ナーチャリングって難しい!?

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“序”

最近、事業会社のご担当者さまから「どうにもナーチャリングがうまくいかない」というお悩みの声を良くお聞きします。

リード・ジェネレーションは、広告やプレゼントキャンペーンなど、お金をかければ、ある程度までは簡単に成果が出るものです。打ち手も市場も成熟していて、予算や状況に応じて、いくつか選択肢は思いつきますよね。
さらにもう一歩、ブランド・ファミリアリティ化までは順調に進められているケースは多い。ソーシャルで緩く繋がったり、会員化などでコアファン化をはかる等。ところが、その先にある、比較検討のモチベーションを施策によって発火させ、恣意的に態度変容を促していく…、これがどうにも難しい。ここでつまずいているマーケターが多い印象があります。コレといった必勝パターンが、なかなか見つからないのが現状ではないでしょうか。

漠然とわかっていることといえば、MAツールを使ったり、リターゲティングしたり、つまりは、腰を据えたCRM。PDCAを繰り返していくことで、じわじわとコンバージョンをあげていく。ローマは1日にして成らずの精神で、真面目に仮説と実験を積み重ねていくしかないということです。とはいえ、「状況を一変させるようなカンフル剤的な劇薬」は無いものでしょうか?さらには、「実際にどういう視点で仮説を立てること」が成功への近道になるのでしょうか?

“破”

ここで小休止的に少しだけ脱線。最近、弊社のディレクター陣は、デジタルマーケティングのeラーニングサービスを利用して、日夜デジタル施策の勉強をしています。
1日たった5~15分ぐらいの短時間ででき、8ヶ月でじっくりと完結するプログラム。デジタル広告やEC、内部施策強化、カスタマージャーニーの作り方など、デジタルマーケティングのイロハを広くカバーしていて、「そうそう!」だったり、「へぇ~」だったり、知識の再確認や新たな学びを得られるスグレモノ。その名も、Co-Learningというアプリサービスです。
なにより、1Chapterが5分程度と短時間、かつストーリー調のチャット会話形式なので、とても気軽でカジュアル。休憩がてらにスマホをポチポチしてるとインプットが得られ、ストレスも少なく楽しみながらマーケティング知識が身に付いていきます。
ちなみに、弊社はCo-Learningの営業代理店ではないので、ご興味のある方は検索してみてください。

さて、そんなデジマのeラーニングを進めていて、ちょっと気がついたことがあります。
eラーニングを受講したり、市販のマーケティング本を読んだりすれば、「やり方」や「考え方」は知識として得ることはできます。ただし、正確には“得た気になれる”のです。実は、この差はとても大きい。

かつて、まだ私が宣伝会議のコピーライター養成講座に通っていた学生時代の話しです。サントリーOLDの「恋は、遠い日の花火ではない。」という名コピーで有名な小野田 隆雄さんが養成講座の講師として登壇された際、アイデアを生む方法が書かれている本としてお勧めしてくれた「アイデアのつくり方」という不朽のベストセラーがあります。早速、受講帰りに閉店間際の本屋に駆け込み、帰りの電車の中で貪るように読みました。読了後、湯水のようにアイデアが生まれてくるような万能感を得られたことをあれから20年以上たった今でも鮮明に覚えています。
ただし、残念なことに1夜あけた翌日、当時インターンシップで通っていた広告会社の業務において、新しいアイデアなんか1ミリも生まれずに、いつもように百戦錬磨の先輩達から、けちょんけちょんの揉みくちゃにされ、「何かおかしい。オレは天才のはずなのに!」と悔し涙をぐっとこらえたものです。

そうです。例えどんなにいいことが書かれている本でも「読むだけでは何も変わらない」ということを身を以て学んだのです。本に書かれていることを着実に実践していくことで、少しずつ知識やスキルが段々とアップデートされていく。結局は、“実践あるのみなんだ”ということを勉強させていただきました。

“急”

さて、少しだけと言いながら長い脱線を経た過程で、一足飛びでホンモノのノウハウやメソッドは体得できないという結論へと(半ば強引に)行き着いたところですが、改めて本題のナーチャリングの話しに戻りましょう。当面の課題は、以下の2点でした。

⚫ナーチャリングを進める劇薬はないのか?
⚫仮説はどうやって立ててればいいのか?

つまり、すぐに実践できて、ナーチャリングにちゃんと効くいい処方箋は無いのか?ということ。
この流れでこう書かれると、「当然、解決方法があるんだよね?」と期待しちゃいますよね…。
どうぞ、大いに期待してください。ここまで引っ張っておいて、NOテイクアウトはありません(たぶん…)。

ひとつの答えとして胸を張って提案したいのが、以前に弊社の社内セミナーに登壇していただいた【 清水 誠 】さんが推奨されている【 コンセプトダイアグラム 】というフレームワークです。実は、これがナーチャリングに悩むマーケターに、滅法お勧めだと考えております。
皆さんは、良くカスタマージャーニーマップを作ったり、見たりすることが多いと思いますが、プロジェクトの当初にとりあえず的に作ってはみたものの、ふと思い返してみると「あんまり機能していないなぁ」と感じたことはありませんか?

清水さんが薦める「コンセプトダイアグラム」は、スタート(現状)から、ゴール(コンバージョン)までの顧客の心理変容を推移軸でマイルストーン化していきます。スタートとゴールを決めて、ゴールからバックキャスティング的に発想していく。うーん、良くわかりませんよね。なかなか一言での説明が難しい。
つまり、ジェネレーションからナーチャリングまでの顧客心理変容をストーリー化して、スクリプトを繋いでいきます。そのスクリプトとスクリプトを繋ぐシナプスとして、穴を埋めていくような要領で施策を落とし込んでいくフレームワークなのです。心理変容軸の大きなバックキャストと、態度変容軸の小さなバックキャストを組み込み合わせてジャーニー&施策マップを構築していく。
具体的には、縦軸と横軸を作って、左上にスタートを配し、右下のゴールに向かって心理変容のスクリプトを配置していきます。縦軸と横軸に何を設定するかは自由ですが、分かりやすいのは、横軸をパーチェスファネルの深化、縦軸をファン度の深化に設定するのが良さそうです。
このフレームワークの成功には、顧客がどんな顔をしているのかを“深く知る”ことがとても重要となる為、カスタマーアナリティクスの視点もセットで取り入れることを清水さんは提唱されています。

いがかでしょうか? なんとなくでも、このフレームワークの劇薬っぷりが伝わったら嬉しいです。
コンセプトダイアグラムとカスタマーアナリティクスの詳細は、WIT Magazineという弊社が運営しているWebメディアで記事化しております。
もしご興味のある方は、下記から是非ご一読ください。約2時間のセミナー講義の全貌を4ページに渡って詳しく書いております。私の拙い説明では伝わらないことも、図解を交えたケーススタディをみていただければ一発で理解していただけると思います。

▼清水 誠さんのセミナー記事

顧客理解を深めるCXとコンセプトダイアグラム

▼こちらもお勧め!

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未来に接続するクリエイティブ思考

田中 豊彦