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【100件調査!】大学研究室ホームページでのSNS活用状況(web#006)

大学研究室でのSNS活用状況
スパイスワークスでは、大学研究室・ゼミ特化型ホームページ制作サービス「ラボゼミCMS」を運営しています。

大学研究室のホームページを作成したい、リニューアルしたいという方のために、スパイスワークスが大学研究室ホームページ100件を調査し、第1回の「大学研究室ホームページ人気コンテンツトップ10」、第2回の「大学研究室ホームページ人気コンテンツ番外編」をご紹介しましたが、今回はSNSについての調査結果をご報告します。

【 目次 】

  1. 調査の概要
  2. 大学研究室ホームページのSNS利用状況:YouTube編
  3. 動画を掲載している場所動画の演出方法

  4. 大学研究室ホームページのSNS利用状況:X(旧ツイッター)編
    Xとの連携方法
    Xでの発信内容

  5. 大学研究室ホームページのSNS利用状況:Facebook編
  6. Facebookとの連携方法
    Facebookでの発信内容

  7. X(旧ツイッター)とFacebook の使い分け方
  8. 学生のSNS利用状況

  9. 大学研究室ホームページのSNS利用状況:Instagram編
  10. Instagramとの連携方法Instagramでの発信内容

  11. 大学研究室ホームページのSNS利用状況:GitHub編
  12. まとめ:大学研究室としてのSNS活用
  13. 大学研究室SNSのメリットとデメリット

 

 

調査の概要

昨今はホームページと並んで発信力が注目されるSNS。

大学研究室ホームページを100件調査する中で、これまでご紹介した「人気コンテンツランキングトップ10」や「番外編」のみでなく、SNS も外せない要素ですので、今回の記事でご紹介したいと思います。

この時代、特に学生さんにおいては、日常生活の中で、ホームページより SNS に触れる時間の方が圧倒的に多いでしょう。研究室のホームページでも、SNS が重要な役割を果たす時代です。

このコンテンツは、以下のような方のお役に立てるかと思います。

大学研究室のSNSを始めようと思っているけど、何から始めればよいかわからない

大学研究室でどのようにSNSを活用すればよいか迷っている

大学研究室を100件調査するにあたっての調査対象の選定については、以前の記事をご覧ください。

ちなみに今回の調査は「大学研究室のホームページ」を軸としておりますので、ホームページと連携されたSNSのみを対象としています。

研究室のホームページとは連携せずに、教員または研究生が個別にSNSアカウントを持って更新しているケースも多いと思いますが、研究室ホームページと連携、リンクの設置などがされていない場合は対象外としています。

今回の調査対象の大学研究室のうち、ホームページとSNSを連携している研究室は、100件中46件でした。

半数弱の大学研究室が、SNSとホームページを連携していました。
 

 

大学研究室ホームページのSNS利用状況:YouTube編

ホームページとYouTube を連携している大学研究室は、100件中32件でした。
今回の大学研究室100件の調査では、SNSの中で最も活用されていたのがYouTubeです。

動画は文字と比べて圧倒的に情報量が多いコンテンツです。

特に今の学生さんは幼い頃からYouTube動画を見ている世代ですので、テキストよりも動画での情報収集に慣れています。

研究室の情報を学生に伝えるにあたっては、動画は最も有効なメディアといえるかもしれません。
 

【動画を掲載している場所】

大学研究室サイトでのYouTubeの活用方法としては、トップページの一番目立つところ(メインビジュアル)や「研究内容」のページに動画を掲載、またはリンクを載せているところが多いようです。

その他には「研究室案内」や「オープンキャンパスの様子」などがありました。

企業のウェブサイトでも、トップページのメインビジュアルを動画にするケースが増えていますが、強い第一印象を与えられるので効果的な手法です。メインビジュアルを動画にしているケースは100件中3件でした。

中には「動画」ページを設けている研究室サイトもありました。

動画1~2本であればトップページや内容が関連するページに入れればよいと思いますが、本数が多い場合はページを設けるのもよいと思いますし、今であればYouTubeチャンネルにリンクするのが便利かと思います。

やはりYouTubeの活用でニーズが多いのは「研究内容」の紹介です。
YouTubeを活用している32件の研究室ホームページのうち、12件の研究室が、「研究紹介ページ」でYouTubeを利用していました。
 

【動画の演出方法】

動画の見せ方のパターンとしては、以下のようなものがありました。

①映像と文字、音声で見せている

②映像と文字、音声、教員や学生の写真で見せている

③教員が出演して説明している

④学生が出演して説明している

は人の声による解説がなく、は人の声による解説が入っているパターンです。

は、その研究分野に知見のある人を対象にした動画になると思います。その分野を研究している人、その研究を事業に活用している人をターゲットとした動画であれば、この見せ方が効率的かもしれません。

については、実際に教員や学生が出演し、説明していますので、研究室や研究分野に興味がある人を引き付けることができます。その研究分野に知見がない人をターゲットとした動画であれば、この見せ方がよいと思います。

私も調査をしていて、やはり教員が話している動画はついつい長時間見てしまいました。学生さんが見るのであれば、研究生が出演していればなおさら引き付けられるでしょう。

学生さんをターゲットにした動画であれば、是非教員や学生の出演をお勧めします。

最適な動画の展開や演出方法に正解があるわけではありませんが、上記のように、ターゲットに分けて使い分けると効果的です。

学生に限らず動画で情報収集する人が多い時代ですので、ホームページによる文字や画像ベースの情報と合わせ、動画を活用することで訴求効果の向上が期待できます。
 

 

大学研究室ホームページのSNS利用状況:X(旧ツイッター)編

ホームページとX(旧ツイッター) を連携している大学研究室は、100件中18件でした。

YouTubeに次いで活用されているのがXですが、3位のFacebook(16件)と同程度の利用数です。
 

【Xとの連携方法】

X とホームページの連携方法については、以下のようなパターンがありました。

①フッタなどにX のアイコンを掲載12件

②トップページにXの最新投稿を埋め込み5件

メンバー紹介ページからリンク2件

については、トップページにXの新しい投稿を読み込むパターンですが、企業サイトでも以前は多く採用されていました。
大学研究室でも比較的以前に作られたものにのパターンが多く、新しい研究室サイトでは、のロゴからリンクするパターンが主流のようです。

またについては2件しか見当たりませんでしたが、「メンバー紹介」ページで各メンバーの紹介とともに、Xなど各自のSNSのアカウントへリンクさせるパターンです。
2件しか採用されていないとはいえ、その研究者や研究メンバーの情報を追いたい人にとっては、とても親切な機能だと思います。
 

【Xでの発信内容】

Xで発信されている内容については、論文掲載、メディア出演、講演での登壇、学内外のイベント報告など、「News」ページ同様、最新情報を投稿しているパターンが多いようです。

Xの特徴としては、日々のつぶやきなどで先生の人柄が垣間見られて、より興味を持ってもらえるという部分もあります。

イベントや出版情報だけでなく、その時々の考えや、時事に関する意見、専門分野のトピックに関する意見などは、フォロワーが知りたい情報です。

中には「これから会議に出席します」「16時からは研究室にいます」など、先生の予定をリアルタイムに発信しているケースもありました。

現役の学生さんにとっては「あ、先生が夕方から研究室にいるなら質問できる」など計画できますし、先生の予定が把握できるので、自分が研究生でしたら是非フォローしておきたいですね。
 

 

大学研究室ホームページのSNS利用状況:Facebook編

ホームページとFacebookを連携している大学研究室は、100件中16件でした。

2位のX(18件)と同程度の利用数です。

ちなみにFacebook と研究室サイトを連携している100件中16件のうち、6件はXも同時に連携していました。
 

【Facebookとの連携方法】

ホームページとFacebookの連携方法としては以下のようなパターンです。

①フッタなどにFacebookのアイコンを掲載10件

②トップページにFacebookの最新投稿を埋め込み6件
 

【Facebookでの発信内容】

発信されている内容としては、こちらもX同様、論文発表や受賞のお知らせ、研究室内のイベント報告などが多いようです。

Facebook の場合はXと違って実名でつながっているユーザーとの関わりが中心となります。

また、Xと比べて大学生の利用率が少ないので、情報発信のターゲットとしては、つながっている研究者や企業・法人・メディアの関係者、研究室のOB・OGなどが中心になってくるかと思います。
 

 

X(旧ツイッター)とFacebook の使い分け方

XとFacebook の使い分けに悩まれている方、またはどちらを利用すべきか悩まれている方も多いのではないかと思います。

XもFacebookも、文字情報+画像や動画という構成ですが、 Instagram ほどビジュアルの訴求によっていませんし、もちろんYouTubeほど動画によっていません

どちらも比較的テキスト情報によったSNSと言えるので、どう使い分けてよいか難しいところかと思います。

とはいえテキスト情報中心だけに、どちらも気軽に使いやすいSNSといえますから、ぜひとも活用したいところです。

 

【学生のSNS利用動向】

ここで、学生の SNS 利用動向を見て見ましょう。

東京工科大学の新入生の「コミュニケーションツール」利用実態調査によると、Xは80%、Facebook は5%弱の新入生が使っているようです。

これは新入生の調査なので、就職活動が始まっている学生、学部を終えて修士・博士で学んでいる学生、社会人になった研究室OB・OGなどはFacebook の利用が増えている可能性もあります。

とはいえ、Facebook は社会人ターゲット、Xは社会人に加えて学生が多く見ていると考えておいて問題ないでしょう。

それでは発信内容をどう分けるのかというところですが、私がつながっている先生方を見る限りでは、ほぼ同じ情報を投稿されている方が多いようです。

研究内容に関する情報、出版情報、登壇情報などは社会人でも一般の学生でも知りたい内容ですので、XとFacebook 両方に同じ投稿をされて問題ないと思います。

とはいえ、先にXの項であげた例のように、「これから15時まで校内会議に出席」「15時から16時は研究室にいます」など、先生の日々のリアルタイムな情報は、Xの方が向いていると思います。Xは短文の「つぶやき」から始まった文化だけに、このようなリアルタイム性のある簡易な情報でも違和感がありませんが、 Facebookでここまで頻繁に投稿すると、少し違和感があるかもしれません。
 

 

大学研究室ホームページのSNS利用状況:Instagram編

ホームページとInstagram(インスタグラム)を連携している大学研究室は、100件中5件でした。

2位のX(18)や3位のFacebook(16件)と比べると、活用は少ないようです。

とはいえもちろん、私の周囲を見ても、ホームページと連携していないところで Instagram を活用されている先生は多いです。
 

【Instagramとの連携方法】

Instagram と研究室サイトの連携方法としては、トップページのフッタなどにアイコンを掲載してリンクしているパターンがほとんどです。

「PHOTO」のページをクリックすると「Instagramをご覧ください」と、Instagramページに誘導しているケースもありました。
 

【Instagramでの発信内容】

Instagramを採用している研究室が100件中5件と少ないこともあり、傾向といったものはつかめませんでしたが、使い方は研究室によってさまざまです。

学会など研究関連のイベントの様子や、開催地で撮影した写真、お土産でもらったお菓子の写真、学生さんが集まっている写真、ホームページで利用しているイラスト、ランニングなど先生の趣味の写真などがありました。

Instagram はビジュアルに訴えるものが受けるという特徴もありますので、利用されている研究室が投稿されている写真も、ビジュアルを意識したものが多いようです。

Instagram はやはりテキストを読み込んでもらうというよりも、ビジュアル中心の展開となるかと思います。研究室の合宿で地方に行った際は、フォトスポットもありますし、学生さんたちがスポーツをしている写真も撮れるかと思います。

いずれにしても Instagram を始めている各研究室も、まだそれほど投稿が多くなく、実験的に取り組まれている印象がありました。
 

 

大学研究室ホームページのSNS利用状況:GitHub編

GitHub がSNS かどうかは議論がわかれるところですが、SNS番外編として、今回調査した100件の研究室ホームページの中で、GitHub と連携しているケースが2件存在しました。

GitHub とは、プログラムのソースコードの共有や共同開発ができる、ソフトウェア開発のプラットフォームです。

研究成果としての論文」だけでなく、GitHubによって「プロセスとしてのソースコード」も共有するというのは、同じ分野を研究する人や、これから研究したいと考えている学生だけでなく、社会にとっても有用なツールとなりえるのではないかと思います。
 

 

まとめ:大学研究室としてのSNS活用

いかがでしたでしょうか?

それぞれのSNSが特徴を持っており、ユーザーの年齢層も、使われる目的も異なります

今回の記事が、どのSNSを選択すべきなのか、また、どのようにSNSを使い分ければよいのかといった疑問を解決する参考になれば嬉しいです。

研究室のホームページに掲載するコンテンツの選択と同じで、「誰に」「何を」訴求したいのかが、SNSの選択や活用法の基準になります。訴求したいターゲットがどのようなSNSを活用しているのか、そのSNSでは何が求められるのかといった情報は、常に把握することをお勧めします。
 

【大学研究室SNSのメリットとデメリット】

SNSといえば、「炎上したらどうしよう」というデメリットに対する心配もあるかもしれません。

とはいえ逆に、研究室に対して誤った情報や誹謗中傷が拡散されたり、研究分野について社会的に間違った認識が拡散された際など、対抗できる発信手段を、自身で確保できるというメリットもあります。

いずれにしても、メリットデメリットもあるのがSNSです。

そのうえで活用をお勧めしていますが、まずはイベントでの登壇や論文の寄稿、研究室の様子、執筆したブログ記事の告知などから発信しながら、運用に慣れていただくことが大切だと思います。

大学研究室ホームページ制作に特化した「ラボゼミCMS」
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【出典・参考文献】

・東京工科大学: 新⼊⽣の「コミュニケーションツール」利⽤実態調査を発表