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初心者が間違えやすいSEO対策のやり方5選 (web#005)

初心者が間違えやすいSEO 対策5選
Web制作をする上では欠かせない要素の1つであるSEO対策。
株式会社スパイスワークスでも SEO対策のご相談を多くいただいています。
しかし実際にご相談いただいたサイトを拝見すると、間違った認識のままにSEO対策をはじめてしまい、効果が出ていないケースが多いのも事実です。

せっかくの努力を是非成果に結びつけていただきたいと思いますので、今回はSEO初心者が間違えやすい考え方と、SEOの基礎知識について解説したいと思います。

【 目次 】

  1. SEO対策とは?
  2. なぜSEO対策では Google を重視するのか?
  3. 初心者が間違えやすいSEO対策のやり方について
  4. 初心者が間違えやすいSEO対策①:PVを上げる
  5. CV(コンバージョン)とは
  6. 初心者が間違えやすいSEO対策②:HTMLコーディングを見直す
  7. 初心者が間違えやすいSEO対策③:画像は軽量化する
  8. 初心者が間違えやすいSEO対策④:トップページに人を集める
  9. 初心者が間違えやすいSEO対策⑤:記事(コンテンツ)を量産する
  10. まとめ

 

 

SEO対策とは?

SEOとはシンプルに言えば、「検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)」ということになります。

Google検索セントラル」では以下のように説明しています。

検索エンジン最適化(SEO)は、検索エンジンでのウェブサイト ページの視認性を高めて、サイトにより価値のあるトラフィックを集めるプロセスです。

検索エンジンでのウェブサイト ページの視認性」を高めるとは、つまり検索上位に表示させることでしょう。

そのうえで「トラフィックを集める」とは、クリックして自分のページに来訪してもらうことです。

つまり、SEO対策とは「検索エンジンでコンテンツを上位表示させクリックさせる」ための対策と言えます。

一般的には「上位表示させる」ことだけが目的とされがちですが、たとえ上位表示されても、クリックされなければ意味がありません。検索したユーザーの意図にあったコンテンツのタイトルを表示することも、SEOの重要な要素となります。
 

 

なぜSEO対策では Google を重視するのか?

これは弊社でも多くいただくご質問です。
具体的には以下のようなご質問です。

Yahoo! や Safari、Microsoft など検索エンジンは色々あるのに、なぜ Google の対策を重視する必要があるのか?

確かに、日本では Yahoo! で検索する人も多く、国内に限れば20%くらいのシェアがあります。

また日本は他の国と比べると、 iphone を使う人の割合も圧倒的に多いので、 iphone の標準ブラウザである Safari で検索する人の数も多いということになります。

Microsoft も Google と同じく世界的な巨大企業なので、もちろんその検索シェアは無視できないものです。

SEO対策で Yahoo! よりも Google を重視する理由
ここで一つひとつ説明しますと、まず Yahoo! はサイトの名前ですが、Yahoo! の検索エンジンで使われているのは「 Google のアルゴリズム」となります。ですから、 Yahoo! で検索した結果は、 Google で検索した結果とほぼ同じような順位で表示されます。

SEO対策で Safari よりも Google を重視する理由
iphone はスマートフォンの機種名で、その標準ブラウザは Safari となっています。 Safari の検索窓も同じく「 Google の検索アルゴリズム」を使用していますので、検索結果は google とほぼ同様となります。

SEO対策で Microsoft Bing よりも Google を重視する理由
Microsoft は社名ですが、 Bing という独自の検索エンジンを持っています。このシェアは世界で10%を超えており、無視できないものとなっていますし、Microsoft はオープン AI の主要株主であることから、今後は AI を活用した検索などでシェアを上げるだろうという意見も少なくありません。

Bing と Google が別のアルゴリズムを使っているとはいえ、「ユーザーが探しているコンテンツを検索結果に表示する」という根本的な方向性は同じですので、 Google で検索上位に表示されれば、 Bing で上位に表示される可能性は高くなります。

上記の理由も踏まえ、Google のシェアが90%程度あるということで、現在は Google のアルゴリズムに対してSEOを実施することが有効とされています。
 

 

初心者が間違えやすいSEO対策のやり方について

タイトルでは「初心者が間違えやすい」と言っていますが、これからご紹介する5点については、一概に「間違い」といいきれないものばかりであることも事実です。

厳密に言うと、これらは正解の一部ではあります。
また、以前のSEO対策で言えば、正解そのものだったものもあります。

しかし、現状ではあくまでも「正解の一部」となっており、これらの認識のみでSEO対策を実施しても、ほとんど効果が出ないことになってしまうのが事実です。

とはいえ、今の段階で今回の記事と同様の認識を持っていたとしても、まったく気にする必要はありません。これからSEO対策をはじめようと考える初心者の多く(以前の私を含め)は、この認識から始まっているからです。

実際、弊社がSEOを担当させていただく際も、まずはこの認識についてのご説明から始めるケースが多いです。

ただし、この考え方を訂正しないと先に進むことができない重要な内容ではありますので、この後の解説を是非ご覧ください。
 

 

初心者が間違えやすいSEO対策①:PVを上げる

PV というのは「ページビュー (PageView) 」の略称で、ユーザーがそのページを何回閲覧したかを示す数値です。

PV を上げるというのはSEO対策の中で重要な部分ではありますので、けして間違った対策ではありません。

しかし、企業のWEBサイトにおいては、PVを上げることが最終目的になってしまい、SEO対策が間違った方向に進むケースが多いのも事実です。

企業がWEBサイトを制作する目的は、ページを見てもらうためではないでしょう。

ページを見た人が最終的に商品を買ってくれたり、問い合わせをしてくれたり、セミナーや無料体験に申し込んでくれてはじめて収益につながると思います。

逆にいくらページを見てくれた人が多くても、最終的に上記のような行動をおこしてくれなければビジネスにはつながりません

ちなみに、ウェブサイトを見たユーザーがなんらかの利益につながる行動を起こしてくれることを「コンバージョン」と言います。

「コンバージョン」はSEOを学ぶうえで重要な内容ですので、この後ご説明します。
 

 

CV(コンバージョン)とは

商品の購入、問い合わせ、申し込みなど、WEBサイト上で獲得する最終的な成果のことを「CV (Conversion) : コンバージョン」と言います。

SEO担当者は、本来最終的な CV を獲得するというゴールのための一つの手段として、 PV(ページビュー)の向上を目指すべきです。

ページを見てくれた回数(PV)のうち何パーセントかがコンバージョン(CV)に到達してくれる可能性がありますので、 PV を上げることが CV数を上げることにつながる可能性があることは確かです。

しかし、どんなに PV が上がっても、コンバージョンする確率である「コンバージョンレート(CVR : Conversion Rate)」が下がれば、 CV が上がらないこともあります。

例えば、有名なインフルエンサーや芸能人を活用して PV が増えたとしても、彼ら彼女らが商品となんの親和性もなければ、 CVR(コンバージョンレート)が下がり、最終的な CV はあまり上がらない可能性が高いでしょう。

PVにとらわれすぎてしまうのは初心者だけではありません。経験豊富な人でも、いつの間にか数字が動きやすい PV にとらわれてしまうことがあります。

PV 数だけでなく、常に最終的に WEBサイトが生み出す「価値」を意識してSEO対策を実施しましょう。
 

 

初心者が間違えやすいSEO対策②:HTMLコーディングを見直す

HTML のコーディング(ソースコード)を Google などの検索エンジンが理解しやすい形にする「構造化」という SEO 対策はとても重要です。

構造化対策の代表的なものとしては以下のようなものがあります。

メタタグ(meta タグ):ページのタイトルや説明(ディスクリプション)を示すタグ

hタグ:見出しを示すタグ(H1タグ、H2タグなど)

しかし、HTMLの構造化は、「やって当然」の対策ですので、構造化対策を行ったから検索上位に表示できるかというと、そういうものではありません。

今まで構造化対策を行っていなかった分、Google にサイト構造が理解されずに下がっていたランキングが元に戻る程度の改善は見込めるかもしれません。

しかし、これを実施したからといって、並み居る競合に勝って検索上位を獲得できるかといえば、それは難しいでしょう。

HTML のソースコードによる対策で、検索エンジンをハックするようなやり方で検索上位に表示できる時代もありました。

しかし、それらの対策は、現在ではことごとく「スパム(不正なSEO対策)」として取り扱われ、ブラックハットSEOと呼ばれるようになっています。

そしてこういったスパムテクニック、ブラックハットSEOを実施することによって、逆にランキングが落ちたり表示されなくなったりする危険性の方が高くなっています。

Googleは、ランキングシステムの考え方についてこう定義しています。

有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成
Googleの自動ランキングシステムは、検索エンジンでのランキングを上げることではなく、ユーザーにメリットをもたらすことを主な目的として作成された、有用で信頼できる情報を検索結果の上位に掲載できるように設計されています。
Google検索セントラル

ここでいう「ユーザーにメリットをもたらすことを主な目的として作成された、有用で信頼できる情報」の逆にあるのが「検索エンジンでのランキングを上げること」を目的として作成された情報、すなわちブラックハットSEOです。

HTMLコーディングの見直しについては、Google が推奨している範囲で最適化することが大切です。

それ以外の部分でシステムの穴をねらうようなテクニックを見つけて対策することは、リスクの方が高い対策となりますのでご注意ください。
 

 

初心者が間違えやすいSEO対策③:画像は軽量化する

画像の軽量化が大切だということは間違いではありません。

なぜなら、画像を軽量化することにより、ページの読み込みが早くなり、ユーザーへの負荷が軽くなるからです。

実際にグーグルが提供している Google for Developers では PageSpeed Insights というツールも用意されており、ここではページが表示される速度を計算してくれます。フォームに URL を入力するだけで簡単に試すことができますので、お持ちのサイトなどで是非計測してみてください。

PageSpeed Insights で自分のサイトを診断してみると、画像の重さが指摘されることがありますが、これは Google が画像の軽量化を重視している証拠でしょう。実際に画像が重いとページを表示するのに時間がかかり、ユーザーの負担になってしまいますので、重いより軽い方が良いことはいうまでもありません。

ただし、軽量化するために画像が不鮮明になってしまっては、逆にユーザーにとって見づらいページとなってしまいます。

Google 検索セントラルでは「速度と画質を考慮して最適化する」ように言っています。

まず、高画質の重要性についてです。

ぼやけた不明瞭な画像よりも、高画質の写真はユーザーの関心を引きます。また、鮮明な画像は検索結果のサムネイルで目立つため、ユーザー トラフィックを得やすくなります。
Google検索セントラル

そして、軽量化についても必要性を述べています。

一方、画像が原因で全体的なページサイズが大きくなり、ページの読み込みが遅く、通信費が高くなる場合がよくあります。

また、以下のようにも言っています。これはAI時代ならではの内容です。

Google では、代替テキストに加えて、コンピュータ ビジョン アルゴリズムやページのコンテンツを使用して、画像のテーマを理解します。

つまり、コンピュータが何の画像であるかを読み解いているということですので、コンピュータが読み取りやすい鮮明な画像を用意してあげることも、SEO対策につながるのは間違いないでしょう。

確かに、ある程度画質を妥協しても、とにかく軽くすることに重点を置いていた時代もありました。

しかし今は時代が変わり、コンピューターが画像からその内容を読み取るようになっています。

Google が開発した新型の画像ファイル形式であるWebP のような、最新の画像最適化技術を駆使し、「速度と画質を考慮して最適化」しましょう。
 

 

初心者が間違えやすいSEO対策④:トップページに人を集める

SEO対策をすると、サイトのトップページ(Home)に人が集まってくれると思われがちです。

これは特別なことではなく、これからSEOを始めようとする人の多く(体感値では半数以上)が持つ認識の一つです。私も最初はそう考えていました。

確かにSEO対策を実施し続けることで、中長期的にはトップページに人が集まりやすくなることは事実です。しかし、SEO対策で最初に取り組むべきことは、末端のページに人を集めることです。

法人名で検索された時にWebサイトのトップページが検索結果に表示され、そこに人が集まるのは当然ですが、それでは「すでにあなたの法人名を知っている人」に対してしかアピールできません。

せっかくSEO対策をするのであれば、会社名や商品名を知らなくても、自社で扱っているサービスや商品を必要としているであろう「潜在顧客」に集まってもらいたいところです。

そもそもトップページへのSEO対策を実施しようとしても、競合他社と差別化しにくいのも事実です。

たとえば当社のようなWEB業界のコーポレートサイト(会社のホームページ)を見てみると、トップページには「サービス内容」や「実績紹介」、「主要取引先」や「ニュース」へのリンクなど、どの企業も似通った内容になります。

トップページに掲載する内容は、業界が同じであれば、それほど大きく変わらないので、競合との差別化が難しいのです。

しかし末端のページであれば、記事の内容もより詳細なものになりますので、競合他社とは違った特徴を訴求できるでしょう。

トップページに見えるのは大枠の「WEB制作会社」としての顔が中心となりますが、末端のページに入っていけば、各社の「強み」や「文化」、「ニッチなサービス」や「自社ならではの技術」など、その会社ならではのコンテンツを掲載することができます。

すでに誰もが知るような企業や商品であれば別ですが、知名度がそれほど高くない企業や商品であれば、その組織ならではのニッチな情報を末端のページに掲載し、そこに人を集めることから始めることが、SEOの第一歩となります。

ただし知名度が低いからといって、トップページに人が集まることをあきらめる必要はありません。

末端のニッチな記事に人が集まり出すと、その上にあるサービス内容などのページのランキングが上がり出し、中長期的にはトップページを中心とした、サイト全体の評価が上がるのです。

そのような戦略を立ててサイト構造を設計してゆくのも、SEOの面白いところです。
 

 

初心者が間違えやすいSEO対策⑤:記事(コンテンツ)を量産する

前項のように、トップページを強化するのではなく、末端の記事を検索にヒットさせることを理解できていたとしても、ありがちなのがこの間違いです。

「SEO対策のためにとにかく記事を増やそう!」として、人海戦術で記事を量産し続けます。

確かに記事の量産でも、それが圧倒的な量(AIによる自動生成などは除く)なら、中には偶然ヒットする記事が生まれて、徐々に成果が出てくることは事実です。

しかし昨今のSEOでは、記事の質が問われるようになっています。
特にAIなどで大量に生成しただけの低品質な記事が多いと、サイト全体のランキングが下げられてしまう傾向にあります。

記事の量が多いのは大切なことですが、あくまでも質を重視する必要があるのです。

とはいえ、「記事の質」と言っても、どんな記事の質が高いのか、わかりづらいと思われるでしょう。

そこで指標となるのが、Google が提唱している「E-EAT」です。

「E-EAT」のアルファベットは、それぞれ以下の内容を示しています。

Experience(経験)
Expertise(専門性)
Authoritativeness(権威性)
Trustworthiness(信頼性)

詳しくは別の記事で解説させていただきますが、経験、専門性、権威性があるとされるサイトやコンテンツが信頼性が高いと評価され、ランキング上位に表示される傾向にあります。

記事の中に、独自の「経験」談や、専門知識がないと書けない内容(専門性)、また執筆者の保有資格や経歴(権威性)などを盛り込むことで、効果的に記事のランキングを向上する必要があります。

E-EAT の指標で見られるのは、ページ単体だけではありません。

ページの集合として評価される部分もありますので、ある専門分野に関連した記事を増やしていくことで、「専門性」の高いサイトと評価される可能性があります。

つまりSEOの成果を効率的に享受しようと思えば、単に記事を量産するのではなく、戦略的に組み上げていく必要があるということです。

また、ただ良い記事を書くだけでなく、見てほしいターゲットに必要とされる記事を書かなければ意味がありません。ターゲットとなるユーザーがサービスや商品を検討する時、または何かに困って解決策を見出そうとした時、どういった意図で、どういったキーワードで検索するかを想定し、そのキーワードでランキング上位に表示される記事を作成する必要があります。

SEO対策についてスパイスワークスにご相談いただく中でも、すでに多くの記事を書かれているにも関わらず、今まで成果が出なかったというお話は多くいただいています。

せっかく多くの時間やコストを費やしても、きちんとした知識に基づくSEO対策を実施していなければ、その効果がほとんど出ずに終わってしまうことも少なくありません。

SEOやWEBに関する知識を学び、戦略的に記事の執筆を進めることをお勧めします。
 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

SEO対策のノウハウは日々変化しており、以前は良しとされていたことが、今ではスパム行為とみなされてしまうものもあります。

SEOは一朝一夕に結果が出るものではありませんので、時間やコストもそれなりに投資することになります。知識なしに始めても多くの時間を浪費することになりかねませんので、しっかり学んでから、または学びながらスタートしていただくことをお勧めします。

とはいえSEOといっても、現状ではかなり幅広い知識が必要となります。

どこから始めたらいいかわからない、ある程度理解できるまでサポートして欲しいという場合は、お気軽に無料相談をお申込みください


【出典・参考文献】

・Google 検索セントラル: Google 検索に関するドキュメントを確認して、サイトの SEO を改善する

・Google 検索セントラル: 有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成

・Google 検索セントラル: Google 画像検索 SEO ベスト プラクティス

・Google for Developers: PageSpeed Insights

・Google for Developers: WebP

・Google 検索セントラル: 品質評価ガイドラインの最新情報: E-A-T に Experience の E を追加