#37 なぜ部下が辞めるのか?-上司にできる離職防止策【その1】
上司にとって、「せっかく丹精込めて育てた部下が急に辞めてしまい、今まで教えてきたことが水の泡になってしまう・・・」というのは非常に悲しいこと。できれば防ぎたいですよね。
部下が辞める理由として、本人から上がってくるのが以下のよううな理由。
・新たなスキルを得たい
・別の環境でキャリアアップしたい
しかし、その言葉をそのまま鵜呑みにするのは要注意。
「定年・契約期間の満了」等、本人の意志と関係のないものを除けば、25~29歳の男女が前職を辞めた理由はともに以下の順位となっています。
①職場の人間関係が好ましくなかった
②給料等収入が少なかった
③労働時間、休日等の労働条件が悪かった
④会社の将来が不安だった
⑤仕事の内容に興味を持てなかった
(厚生労働省:令和2年雇用動向調査結果の概況「転職入職者が前職を辞めた理由」)
しかし、上司側で対処することで、部下の退職を防ぐこともできるのです。
②の「給料など収入」については、一般的には人事と経営側で昇給の原資が決まって上司に下りてくることなので、上司に「何とかしてください」と訴えられても、すぐ解決するのは難しいでしょう。
④の「会社の将来」についても、ビジネスモデルや経営ビジョンに関係するので、上司側で対処できることは限られます。
①の「職場の人間関係」は、上司と部下の関係についての影響が大きいのは事実ですが、上司以外の人間も関係してきます。また上司に原因があったとしても、両人の性格的な問題にも関わるので、そう簡単には変えられることではありません。
そこで、上記の3点についてはいったん置いておき、ここでは③の「労働条件」と⑤の「仕事の内容への興味」についてお話します。
③労働時間、休日等の労働条件が悪かった
労働条件や環境については、上司と部下とで対処できる部分が十分にあります。ランキングでも3位に入るものなので、是非とも対処したいところです。
労働時間や休日の管理については、部下の持っている業務のボリュームや回し方が関係してくるところです。そこで上司としてはこれらをコントロールしてあげることが大切ですが、そのためにもまずは上司が部下の業務ボリュームや進捗状況を把握できている必要があります。
これらを把握できなければボリュームの調整や進行に関するアドバイスを行うこともできません。
弊社で活用しているDXアプリケーションでは、個人の稼働状況を見ることができるので、どのプロジェクトに時間がかかっているかが一目で分かります。
日々の稼働時間も直感的に把握できるような画面設計で、会社の所定勤務時間よりも稼働が多いところは赤く表示されるようになっています。
業務内容の内訳としては会議なのかドキュメント作成なのか、何の作業に時間がかかっているかをあらかじめ確認し、それをもとにアドバイスすることで、部下の負荷を減らしたり、他のスタッフに仕事を回したりすることもできます。
稼働集計では、任意の期間で絞り込み、誰にどの程度負荷がかかっているかを確認することができます。自分のチームで絞り込むこともできるので、チームの誰に負荷がかかっているか、といった情報を把握した上で1on1ミーティングを実施し、アドバイスしたり、チーム会議でリソースの再配分をしたりもできます。
せっかく手塩にかけて育てた部下。その苦労を水の泡にしないためにも、労働時間の問題で退職するようなことは是非とも防ぎたいところです。上記のようにDXを活用することで防げる部分も充分にありますので、今からでも離職リスクを減らす行動に出られることをお勧めします。
弊社のDX支援システムPlayth(プレイス)では部下の業務時行動を可視化することで労働時間の是正に役立てることが可能です。をお気軽にご相談ください。
>次回は部下が辞める理由「⑤仕事の内容に興味を持てなかった」への対処方法です。