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そのLMSの学習履歴、無駄にするのはもったいない。

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MoodleやBlackboardなど、各大学で学生の学習管理システムとして広く利用されているLMS(エル・エム・エス/Learning Management System)。大学の運営には、もはやなくてはならない存在となりました。

日本国内においてはMoodleのシェアが最も高く、40%以上とも言われています。ヨーロッパでもやはりMoodleは人気なようで、日本よりもさらにシェアが高く圧倒的な1位となっています。ちなみにシェア2位は日本ではまだそれほど馴染みのないBlackboardとなっているようです。

コースや科目などグループ単位で、課題や学生ユーザ、成績までも管理することができる便利なLMSですが、実はただ便利なコミュニケーションプラットフォームというだけでなく、使い方によっては情報工学の研究や、学習促進の支援にも使える高いポテンシャルをも秘めているスグレモノなのです。

教育工学の分野ではラーニングアナリティクス(LA)と称して、学習データの利活用による教育の改善や学習支援効果の最大化の研究が進んでいます。文部科学省も海外の教育立国に追随すべく、学習データの蓄積のための環境整備として、各種教育基盤システムやデータ規格の標準化などを推進しています。

これらの学習データを取り巻く流れは、決して分野違いの他人事として片づけるのではなく、むしろ教育現場の運営にこそ積極的に活用されるべき内容ではないかと考えています。

LMSやデジタル教材ツールなどのデジタル環境で行われた学びの履歴のことをスタディ・ログといいますが、学生がどのタイミングで、どの課題や教材をどれぐらい閲覧したかという学習データがあれば、教育現場における改善などがスムーズになります。

スタディ・ログを利活用するユースケースとしては、例えば、Moodle上のとあるコースでは学生が教員から出された課題が授業時間中は閲覧されているものの、授業時間外の予習や復習のタイミングではほとんどアクセスがなかったなど。このように現状分析として学生の学びの傾向を授業単位で把握することなどが可能となります。研究室の事務の方がこういった情報を知ることで、教員の方に授業用の課題だけではなく、復習用の課題も別で用意してみてはどうか?などの提言ができるようになり、さらなる学習促進を活性化できるかもしれません。

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Moodle自体にもユーザのアクションログをcsvデータとしてエクスポートする機能はありますが、データ抽出条件の設定などなかなか使いにくいのが現状です。そこで、スタディ・ログをMoodle上のアクションログとして外部システムに溜めておき、データの可視化や分析を楽にするという方法があります。このスタディ・ログをデータベースのように溜めておく外部システムのことをLRS(エル・アール・エス/Learning Record Store)と呼びます。LRSは主にxAPIというJSONの形式か、CaliperというJSON-LDの形式のどちからかのデータ規格を採用されていることが多いようです。

LRSの代表格といえば、Learning Locker(ラーニングロッカー)と言われておりますが、Moodleと同様にオープンソースのサービスになりますので、導入ハードルもそれほど高くはありません。Learning Lockerに対応したサーバーを用意した上でインストールを行い、MoodleなどのLMSとインストールしたLRSをシステム連携するだけです。LRSをゼロからシステム開発することなく、比較的簡易にスタディ・ログを溜めることが可能となります。

とはいえ、ただデータを溜めておくだけでは宝の持ち腐れになってしまいます。LRSの準備をした後は、スタディ・ログの可視化を行うことが重要になります。こちらは既存サービスのような簡単に始められるものはまだありませんので、弊社のような開発会社にてシステム開発が必要となります。

逆に言いますと、パッと一目で比較できるような棒グラフのようなUIでデータの可視性を重視するのか、又は、いろいろな掛け合わせ条件でデータを抽出できるような検索性を重視するのかなど、目的や用途に合わせて自由にシステムカスタマイズする余地があるということでもあります。

LRSに溜まるデータ自体は、各アクションごとに「Who(誰が)」「What(何を)」「When(いつ)」「Do(どうした)」という構文のJSON情報として保持されます。つまり、ユーザ情報はもちろん、コースや課題などの紐づき属性情報に加え、テストの閲覧開始、テスト終了など、細かくアクションごとの履歴をそれぞれの時間情報とともに細分化保存されているため、あとは取り出した先のシステムでどのようにも料理することが可能なデータとなります。

特に、既にMoodleを導入されている大学さまにおかれましては、学習データの利活用について一度ご検討されてみてはいかがでしょうか?

もしラーニングアナリティクスについてご興味がありましたら、「文系でも理解できる教育DX:ラーニングアナリティクス編」で分かりやすく説明をしておりますので、一度、目を通してみてください。

スタディ・ログの可視化プログラムの開発や、各種システムのLTI化対応の開発などの実績も増えてきており、「詳しくわからないので、どこから始めれば良いのかなど、初歩から色々と教えて欲しい」といったご相談も増えてきております。

教育分野のシステムに関する支援が必要な場合は、こちらよりお気軽にご連絡をいただけましたら幸いです。

田中 豊彦
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