NEWS ABOUT Solution WORKS TEAM BLOG お問い合わせ JP EN

#47 稟議を撤廃してさらなるコスト削減!ポイントはDXによる内発的動機づけ!?

稟議書類企業の中でかかる「コスト」にはさまざまな種類があります。業種によっても違いますが、弊社のような受託開発の仕事では、人件費の次に大きなウェイトを占めるのが外注費。

こういった外部調達コストが跳ね上がらないように、各社様々な工夫が取り入れられていますが、その代表的なものが「稟議」という仕組みです。
外注先に業務を発注するうえで、複数の承認者の確認を経て印をもらう過程で、適切なコストから逸脱したものは否認されることになり、無駄なコストを抑えることができます。

しかし、稟議には煩わしさを覚える人もいるでしょう。
稟議を提出する側からすれば、複数の承認者を通すのに時間がかかりますし、そのために社内向けの資料を作る必要があります。承認者の立場からすれば、ただでさえ普段の業務で忙しいところに、様々な承認依頼が差し込まれる。会社全体でとらえれば社内で最も有能なビジネスパーソンたちの時間や集中力が承認作業のために奪われてしまう・・・これでは本末転倒です。

稟議に追われる承認者

できれば多くの人を巻き込んで時間を消費する稟議という手段ではなく、個々人が最適なコスト判断ができる環境を作った方がよいことは明らかです。

とはいえ、さすがに会社に大きなダメージを与えるリスクがある決断を、一人の担当者が実施するのは危険です。そのような大きな決断であれば「稟議」ではなく「会議」をすべきです。

そもそも稟議は、いちいち会議をしなくても資料を回覧するだけで済むため、効率化に有効な手法とされていました。とはいえ、実際には会議をしないかわりに各所個別に「根回し」をして、かえって時間を使っているケースも多々あります。

以前の縦割り組織には稟議という仕組みもマッチしていましたが、テレワーク化も進んで組織形態は大きく変わっています。また、グローバルな競争環境にある現代では、稟議や根回しに時間を使っている間に手遅れになってしまうかもしれません。

しかし幸いなことに、現在はデジタル化も進んで、個人で決済できる裁量の幅を広げられる環境が整っているのです。

会議が必要なまでに大きなリスクの伴わない決済は、できるだけ個人の裁量で動けるようになることがコスト削減につながります。一人ひとりがしっかりとしたコスト意識を持ち、稟議が必要なくなるという状況は、一件理想論のように見えますが、これからご説明するような準備をすることによって可能となります。

① 会議や相談を必用としない決済金額を決める
→青天井では危険ですので、上限を超えるような金額の判断は上司へ相談する、会議を設定するなどのルールを設けます。逆に上限を超えなければ個人決済を許容します。
② 受注額に対する外注費の割合を設定
→受注額に対する発注額の上限割合を設定し、この上限割合と①の上限決済金額を超えなければ個人決裁を許容します。
③ 社内全体からプロジェクト収益とコストを閲覧できる状況をつくる
→プロジェクト収益が誰からも閲覧できるようにデジタル化・透明化します。

以上の中で①、②はすでに大半の会社で準備されています。個人に与える裁量を広げる際に重要なのは③で、この役割を担うのが DX 化です。
DX化により社内の誰が見ても各プロジェクトの収益がわかりやすい状況をつくります。

工数管理のDXシステムでは、プロジェクトメンバーが作業した工数を算出するだけでなく、外注費を登録することも可能です。

外注費の登録

弊社ではプロジェクトに発生した外注費を登録することをルール化し、経理担当者に外注費の振込処理を依頼する際には、工数管理システムに登録した画面とともに、該当の外注費の請求書を提出します。

DXを活用することにより、社内のメンバー全員がプロジェクトの収支を閲覧でき、どこにどのような経費を使っているかが透明化されています。ここで重要なのは、数字の羅列ではなく、誰が見てもわかりやすいUIが設計されていることです。

プロジェクト収支・予実管理

また、透明化するだけでなくDXにより可視化されたデータを使って日常的にコミュニケーションする環境をつくることも重要です。前述の外注費の経理処理方法もしかりですが、社内会議や 1 on 1 ミーティング等でこれらの可視化されたデータをもとにコミュニケーションをとっていくなど、日常的に可視化されたデータに触れる状況を作ります。

このように社内の誰もがプロジェクト収益を閲覧できる状況と、日常的にそれを使ってコミュニケーションする環境を作れば、かかっているコストに関する説明責任が生じ、合理性が認められない、評価を得られない無駄な経費を使うことはなくなります。
人から言われたから直すのではなく、内発的な動機で自らコストを削減できるようになるのです。

稟議という仕組みや上司からの指摘といった外発的な動機ではなく、プロジェクト担当者が自ら説明責任を果たせるように、内発的な動機でコストを管理するようになることが、高度人材の育成にもつながります。

テレワークにより個の働き方が重視される昨今、企業のマネジメントは「いかに上司が目を光らせて管理するか」ではなく、DXを有効活用して社員の内発的動機付けを活性させる仕組みを作った企業が勝利を獲得できるのではないでしょうか。

くつろぐ、ゆとりあるマネージャー

部下を指揮命令や管理で統制するのではなく、各自が責任を持ってコスト管理する体制を作ることにより、中長期視点で見れば、人材の育成や管理コストの削減にもつなげることができるのです。

DXを活用して内発的動機を喚起し、個々が高度人材に成長する仕組みを作り上げた組織が、これからの時代に勝利するのではないでしょうか。

画面をご紹介したのは弊社で利用しているPlayth(プレイス)という DX アプリケーションのワークログ機能です。