#29 DX活用でクリエイティブ業務の原価管理
クリエイティブ業務は原価管理が難しいと思われがちです。というのも、実際に売上につながったプロジェクトだけでなく、売上にならなかったコンペなどの工数が発生するためです。こういったケースをどうすべきか迷われている企業様も多いのではないでしょうか。
スパイスワークスはWEB制作やシステム開発をメインの事業にしていますが、コンペなど、提案から仕事につながることもあります。もちろんコンペに通らなかった案件では、工数は発生しても売上は発生しません。とはいえ売上につながらなかったとしも、人件費がかかっている以上は工数の管理が必要ですので、コンペも一つのプロジェクトとして、必ず工数管理システムに登録しています。私たちが活用しているのは、自社で開発した日報登録アプリ「Playth(プレイス)」。各自が登録した工数を見れば、今回のコンペを勝ち取るために、どんな作業に一番力を入れたのか、全体でいくらの工数を使ったのかが一目瞭然です。
また私たちは、コンペに失注した際はクライアントに原因を確認するようにしています。このクライアントからいただいたフィードバックとワークログのデータを比較することで、失注してしまった背景がさらに明確になります。例えば、クライアントから「見積額が見合わなかった」とフィードバックをいただいた場合。ワークログと照らし合わせると、デザイン業務には時間を掛けていたが見積プランの調整はおろそかだった、という事実が見えてくることもあります。このようにクライアントのニーズを正確に把握できていなければ、発注のお声がけが来ることはありません。
コンペを失注した際に、「残念だった」と一言で終わらせるのは非常にもったいないことです。次回以降、より確度の高い提案ができるようにするには、一つひとつのコンペを振り返ることが重要。そのときに、“働くをデータ化”していれば、客観的に現状を把握することができ、今後の提案に活かすことができます。私たちはこういった地道な振り返りが、ひいては組織の成長へとつながっていくものと考えています。