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あたたかな雨は、微笑みの大地に降り注ぐ

「諸星さんもミャンマー行く?」

冗談だろう、と受け流していた弊社代表関根の一言。
しかし、その3カ月後
はっと我に返ると、私は彼の地の、雨季特有の
噎せ返るような熱気を浴びていた。

evening_taxi
というわけで
関根、デザイナー市川、彼の地出身のデザイナーであるミャッ、
それに諸星の計4名は
数日間、「Spiceworks Myanmar」にて
現地スタッフと業務を共にすることに———

clocks

日本とミャンマーの時差は2.5時間。
普段の始業時刻10:00は、ミャンマーでは8:30。
この時間に業務開始となる。
10時始業に慣れた身にとっては
朝早いのは少々きついか、と思ったが・・・
1つのテーブルで、皆で時間を共有するうちに
次第に、彼の地の空気にも馴染んできたか。

事務所の壁には、2つの異なる時を示す時計が掛かっている。
遠く離れた彼の地に居ても、つい時計に目を遣りつつ
日本での普段の業務や、スタッフの様子に思いを巡らせてしまう。

mohinga

ミャンマー料理は脂っこい、という話を
だいぶ、いろいろな人から聞いていたので
普段まったくお世話にならない胃腸薬をしっかりスーツケースに忍ばせておいたのだが
結局、出番はほとんど訪れなかった。

朝からボリュームたっぷりのモヒンガー(*)。
気がつけば、この月の出張メンバー4名の中で
朝食を毎食がっつり食べていたのは
紛れもない、この私ではなかったか。

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さて、ミャンマーチームと日本チーム。
両者が事務所で何をしたかというと・・・
デザイナーである市川が、現地スタッフに
Photoshopの使い方をレクチャーし
実際に、写真の切り抜きや加工にチャレンジしてもらうことに。

市川が説明を始めるや否や
皆、寄ってたかって彼のパソコン画面に熱心に見入り
彼の言葉に真剣に耳を傾ける。
その姿を見て、はっと我に返る。
私は普段、これほどまでに真摯に
仕事に取り組んでいただろうか・・・

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1948年、彼の地が独立するまでは
イギリス領であったミャンマー。
ヤンゴンの街中を車で移動する道すがら
雨に煙った車窓の向こうに
植民地時代のものと思われる建物が
そこかしこに見受けられた。

view

折しも、我々が訪れた時期が
ちょうど、メンバー増加に伴う事務所移転の直前。
数日後に引っ越しを控え、皆で新しい事務所の視察に赴くことに。
幸か不幸か、ちょうどそのタイミングで
ここヤンゴンの通過儀礼とも言うべき停電に見舞われ
エレベーターはストップ。
薄暗い階段を、居合わせたメンバー全員で
6階まで上る。

newoffice

着いた。
折しも、時は夕刻。
眺めのよいバルコニー付きの窓から差し込む
雨上がりの仄かな残照が
ひんやりとした石造りの床を照らす。

いま出入りしているオフィスとは、比べものにならないほど
ゆったりとした空間。
これからスタッフの成長と共に
会社もどんどん大きくなっていくのだろうか。
けれども、小さな事務所の一室で
皆で小さなテーブルを共有し
顔を突き合わせ、肩寄せ合って仕事をする———
そのつながり、連帯感はずっとこれからも
持ち続けてほしい。

thiri_san

当初は長いか、と思われた4日間の日程は
しかし、あっという間に過ぎ去り
帰国の日。
ヤンゴン国際空港へ向かう道中で—
この日も、車窓から
木々の向こうに沈みゆく赤い陽を見た。
「夕焼け、きれいですね」とマネージャーのThiriさんに話しかけると
意外な答えが返ってきた。
「バガン(**)の方がもっときれいよ」
そうか、我々がたった4日間で見て、感じたものは
彼の国のほんの一部に過ぎないのだ———

いま一度眼を閉じると、その瞼の裏には
温かく迎えてくれた彼の地のスタッフやホテルの従業員、
お土産を求めて立ち寄ったマーケットの売り子たちの
穏やかな笑顔ばかりが浮かんでくる。

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*モヒンガー・・・ミャンマーを代表する麺料理。米粉の麺に魚の出汁のスープ。
**バガン・・・ミャンマーの古都。都市ヤンゴンを東京とするとバガンは京都に例えられる場合も。

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「そうだ、散髪、行こう。」

諸星 由美恵
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