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edit Nakamura Nao

東京大学×ベネッセ ソーシャルラーニングプログラムに参加しました

システム担当の中村です。
ブログを開設して早々、私の記事を掲載するということで、若干緊張でプルプルしております。

2011年度および2012年度に、東京大学大学院情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座(BEAT)にて開催された、”Socla”プロジェクトに参加させていただきました。今回はそれについて、私が参加した上で感じたことをまとめようと思います。

 

Soclaプロジェクトとは

「Socla(ソクラ)」は、高校生がソーシャルメディアを活用し、高校生同士や大学生・社会人とのコミュニケーションのなかで学ぶことを支援するソーシャルラーニングプログラムです。高校生が自分の進路やキャリアについて自ら設定したテーマに基づいて、ソーシャルメディアを介して大学生や社会人と協働して、新たな気づきを得ながら学習を進めていくものです。

このプロジェクトは、2010年度にTwitterで、2011年度、2012年度にfacebookにて行われました。

体制として、以下の様な形になっています。


■運営
BEATスタッフ 
学習コミュニティの運営と統括

■ファシリテータ
教育を専攻する大学院生
高校生の進捗を管理したり、学習・調査の相談に応じる

■ボランティアサポーター
学習者のロールモデルとなる大学生、大学院生、社会人
高校生から質問があった場合に応じたり、作業の応援を行ったりする

■学習者
高校生
実際に学習・調査を行う


私は、2011年度から「ボランティアサポーター」として参加させていただきました。

 

高校生の学習テーマは大きく以下のように分かれています。


■アカデミックプラン
主に大学に関わるテーマ

■キャリアプラン
主に就職、仕事に関わるテーマ

■ライフプラン
主に人生設計に関わるテーマ

■国際キャリアプラン(2012年度から新しく設置)
国際的な就職、仕事に関わるテーマ


私は2011年度、2012年度ともに、キャリアのテーマに所属してサポートを行いました。

 

プロジェクトの流れ

2011年度と2012年度で若干の違いはありますが、概ね以下の様なスケジュールで行われました。

  • 1日目   オリエンテーション、学習テーマ設定、テーマに対する仮説設定、facebook講習会
  • 2日目~5日目   学習・調査(facebookのボランティアサポーターに色々聞きながら調査・学習する)
  • 6日目   中間発表(今まで調べたことのまとめ)
  • 7日目~9日目   電話相談(ファシリテータと今後の方向性について相談)
  • 10日目~11日目  最終的な調査、まとめ
  • 12日目  最終レポートの提出
  • 13日目  ポスター作成
  • 14日目  成果発表

 

実際に参加してみて

実際に参加してみて、気づいた点をあげていきます。


■将来を見据えている高校生が多く驚いた
高校生の時点ですでに、将来やりたいことが決まっている人が多く、驚きました。例を挙げると、 
 「メディアリテラシーを国民に広げる為にはどのような 職に就くべきか」
 「文系女子はパイロットになれるのか?」
 「諸外国の貧困問題を解決するには(現実も考えて)外務省、国連、NGO…どこにすすめばいいか?」 
といったようなサブテーマがありました。

■サポーター、ファシリテータからの「いいね!」でモチベーションを維持できた
高校生の書き込みに対して「いいね!」をつけてあげることで、「サポーターがちゃんと見てるよ!頑張って!」と高校生に伝えてあげることができます。
サポーターからの「いいね!」をもらうことで、学習のモチベーションを維持することができた人が多かったように思いました。

■スキマ時間を使用して書き込みの確認や、自分からの書き込みができた
ボランティアサポーターはもちろん、高校生もファシリテータも、日々それぞれのスケジュールがあります。
それぞれのスキマ時間で、書き込みを確認、自分も書き込みを付けておき、何らかのスケジュールが終わったあとfacebookを確認してみると、誰かからのアドバイスや称賛の言葉、「いいね!」がついていて、そのコメントを元に、学習の続きができる状態になります。非常にスムーズな流れで学習を進めていけたのではないかと思います。

■自分の決めたサブテーマが曖昧すぎて、調査・学習が進まなくなってしまう人がいた
日本の教育現場ではあまり例を見ない、「自分が決めたテーマについて学習する」という方法のため、決めたテーマが曖昧すぎたり、調査をすすめるうちに仮説とは全く違った結果になってしまった人がいました。どのように進めればよいかわからなくなってしまい、路頭に迷う人も出てきてしまったようです。
ファシリテータとの相談や、ボランティアサポーターに自分の迷いを訴えて、別の視点や考え方を導いてもらうことで、最終的な結論までたどり着くことができたのではないかと思います。


まとめ

このプロジェクトに参加しようと思ったきっかけは、実は私の高校~大学時代の経験にあります。

私が高校生だった時、将来のことをまじめに考える機会はほとんどありませんでした。毎日勉強に明け暮れて、進学する大学や学部を決めるため漠然とした夢を抱えつつ、その夢を叶えるためのルートをほとんど考えないままに大学へ進学しました。 大学に入ってやりたいことが見えてきた途端、「この学部だとなりたいものになれないかも知れない」という不安を抱えたまま就職活動シーズンを迎えてしまいました。

今の高校生には、そんな迷いや不安を抱えたまま大人になってほしくない、きちんと将来の夢を抱え、それに関する調査をして、悔いのない進路選択をしてもらいたい。 そんな思いがあり、このプロジェクトに参加しました。

また来年度、開催されるようであれば参加するつもりです。